日本の科学技術にも「政権交代」が必要!

みなさん、こんにちは。

いやはや、
「ノーベル賞学者の反論」への反論:脳天気さにもほどがある!
民主党の「必殺仕置き人」、科学予算に切り込む!どんどん切り刻め!
などで紹介したようなお話が、今や日本全国、いや全世界の注目の的になってきているようである。まあ、私にはどうでも良い話なのだが、一応歴史的事実として(つまり、そういう時代を生き抜いている人間の生き証人として)、好対照な記事を以下にいくつか取り上げておこう。


●高野解説
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スパコンで"世界一"になるとはどういうことか? ── 現行の「京速計算機」開発事業は見直して当然

”「自分、乃至は、自分の属する組織が、税金を無駄に使い、世界の第2位から瞬く間に第6位などという体たらくな状況に転落させてしまっておきながら、この転落の原因には目をつぶって、次世代スパコンの見直しは『我が国の科学技術の進歩を阻害し、国益を大きく損なう』などというのは、それこそ『臍で茶が沸く』ほど可笑しないいがかりなのである。いいかえると、そもそも既に『あなた方』によって『我が国の科学技術の進歩は阻害され、国益を大きく損ねてしまっている』のである」”

●頭を使えば3800万円で世界一になれるという例
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<スパコン>長崎大の浜田助教、3800万円で日本一の速度達成 安くても作れ、事業仕分けにも一石?

”浜田助教らは「スパコンは高額をかけて構築するのが主流。全く逆の発想で挑戦しよう」と、ゲーム機などに使われ、秋葉原の電気街でも売られている、コンピューターグラフィックス向け中央演算処理装置(GPU)を組み合わせたスパコン製作に挑戦した。

「何度もあきらめかけた」というが、3年かけてGPU380基を並列に作動させることに成功。メーカーからの購入分だけでは足りず、実際に秋葉原でGPUを調達した。開発費は約3800万円。一般的には10億~100億円ほどかかるというから、破格の安さだ。そしてこのスパコンで、毎秒158兆回の計算ができる「演算速度日本一」を達成した。

26日の記者会見で事業仕分けについて問われた浜田助教は「計算機資源は科学技術の生命線。スパコンをたくさん持っているかどうかは国力にもつながる」と指摘。一方「高額をかける現在のやり方がいいとは言えない。このスパコンなら、同じ金額で10~100倍の計算機資源を得られる」と胸を張った。”

●現場の若手研究者、宮川剛氏による証言
ムダを減らすことはできないだろうか

"・単年度予算の制度が巨額のムダを生む
・輸入する場合、日本では間で輸入業者さんが高額のマージンを取る
・お古になった高額機器を全国レベルでオークションにかけるべき
・高額機器・高額設備は、できるだけ共同使用するべき
・機関間の共同利用・共同研究を行いやすくするシステム・制度を拡充するべき
・各種の研究費の申請書・報告書に記載する情報には重複する部分・内容がたいへん多い一方で、それぞれの書類のフォーマットが大幅に異なっていることがムダ
・研究費の報告書は、大幅削減か廃止すべき
・研究費の種目について、たくさん申請書・報告書を書かなければならずムダ
・「出来レース」の研究費の公募は廃止すべき
・大学図書館で紙媒体の雑誌を購読するのはできるだけやめる"

●財務官僚から大学の研究者への真摯な意見
第7回「真の教育、研究水準の向上につながる大学改革とは」

”藤城:
他を削減してでも、資源を追加投入することの効果が見えるなら、議論の俎上にのぼるでしょう。つまり、現状を変えてアウトプット効率が良くなるとして、もう少し増やせば、ここまでできるということが説明できればということなのです。その結果、外部性が高まったり、新産業があちこちで起こってくるとなれば、もっと投資したほうがいいとなるでしょう。いまは、まさに、ベネフィットが判然としないままに、とにかくコストだけ倍にしてくれという要求になっています。そして、「なぜ?」と問えば、「人材立国だから」とか、「教育立国だから」とか、抽象論で、言葉だけ踊っています。よく意味が分かりません。結局埒があかないので、「それでは、大学を国民はどう評価しているのか」という最初の質問に戻るわけです。大学というと、みな敬意は表しますが、「それでは、大学のために消費税を1%(=2.5兆円)上げてください」と言われれば、おそらく困惑するのではないでしょうか。”

●イギリスのネーチャーの干渉
Democratic fallacy

”Perhaps, as one researcher described it, this is "a bad dream" and scientists will wake up in January to find that the government gave the recommendations due consideration before moving forwards. Perhaps, as the process settles into place in the years ahead, researchers will come to see it as an acceptable and surmountable challenge to justify their studies. But, as currently posed, the recommendations risk being the final word in a decision-making process that could have disastrous repercussions for decades to come.”

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(あ)おそらく「高野解説」がもっとも適切な解説である。主張も明確で全く正しい。「『臍で茶が沸く』ほど可笑しないいがかり」という表現はまさにその通りである。だいたいあそこにいたノーベル賞学者の誰一人スパコンを使っている人はいない。理論家は数学者の森重文さんと理論物理学者の小林さんだけ、小林博士は数値計算はしない、「紙と鉛筆だけ」という古典的理論物理学者である。他はみな実験家である。こんな人々にスパコンのことは議論しようがない。

(い)浜田助教の「3800万円スパコン」は実にすばらしい。CPU(中央演算素子)ではなく、GPU(グラフィック演算素子)使ったところがみそ。最近では、PPU(物理計算演算素子)なるものまである。

CPUは一般のプログラムのための演算素子だが、GPUはグラフィックのような大量データを処理する専門用として誕生した演算素子。昔のパソコンにはこのGPUの乗ったグラフィックボードがなかったために、指令とグラフ処理の両方を同じ1つのCPUで処理するために時間がかかった。が、しかし最近のパソコンにはこのグラフィックボードがあるために、普通の指令はCPU、グラフィックはGPUで別々に行う事ができるようになった。だからパソコンが非常にはやく動き、画像もリアルタイムで見る事ができるようになったわけだ。

さらに最近では、3Dゲームオタクが使用する特別のPPUというものまであり、これを使うと、アバターの動きを実際の物理法則に従わせるように計算できるというものである。これにより、アニメのアバターの髪の毛の1本1本のリアルな動きまで計算できるというのである。3Dゲームマニアは、1台のパソコンに8CPU、1GPU、1PPUを搭載している、俗にいう「ゲームパソコン」なるものを所有しているのである。これでもせいぜい30万円くらいのものだ。ちなみにこれは相当に発熱し、冬でも暖房入らずというすぐれもの。夏はたいへんだろうが。こういうアキバ系のオタク文化を知らないと、実際にはどこまで半導体技術が進歩しているか分からないだろう。

おそらく、PPUまで使えば、浜田助教の「3800万円スパコン」よりもっとすぐれたものまで生み出せるのではないだろうか。そんな気がする。

(う)宮川剛氏の提言は非常に価値が高い。私が20数年前に見たときも、国立の電総研(現産総研)の廊下には当時で1億もする装置が使用されずにお払い箱になっていたものである。そんなものはごろごろ転がっていた。研究装置というものは「すぐに古くなる」ものであるからだ。我々一般人は自分のパソコンや電化製品が多少古くなろうが、本当に使えなくなるまで結構しぶとく使うものである。そうしないと、お金がかかるからである。ところが、国立大学や国立研究所の職員は、そうではない。むしろ、どんどん廃棄して、毎年毎年新製品に替えるのだ。

だから、各組織にはびこった、お抱え業者が大喜びするのである。比較的最近理研で1職員と業者(秋葉産業)の間で不祥事があったように、職員と納入業者の間の「もちつもたれつ」の関係は、その昔の政治家とゼネコンの関係とまったく同じなのである。若干規模が違うのが特徴だったが、今や科学技術予算が膨大となったために、まったく同じようなものとなったのである。しかし、こんなことは一般の国民はまったく知らない事なのだ。

研究室に並んだ高額装置のうち、使われるのはいつも最先端のものだけ、ほかの9割は店晒し。まあ、そんな風景はどこの大学でもどこの研究所でもよく見る風景なのである。これは、スパコンとて例外ではない! 最初のスパコンが世界一でなくなり、もう一台新しいスパコンが手に入れば、最初のスパコンはお払い箱になってしまうのである。使う人もいなくなる。一瞬にして数百億年がパーとなる。

ところが、私が2、3年前ネットワーク理論の研究において、我々のパソコンではせいぜい100個から1000個の・の間のネットワークしか計算できないために、10000個以上の・のネットワークの計算のためにどうしてもスパコン計算が必要になったことがあった。そこで我々民間人でもただで計算させてくれるスパコンはないか、といろいろ探して聞いてみたが、すべて「職員でないとだめ」ということでむげに断られた。あるいは、100万円くらいお金を出せという始末である。

どこが「スパコンがないと科学技術が滅ぶ」だよ。「日本の科学技術を殺しているのはてめーらじゃねーか!」と私は言いたい!! ちなみに、こうして我々が非常に苦労して公表したネットワーク理論の論文は、その筋ではかなり引用されるようになっている。いらなくなった「世界31位」のスパコンを廃棄処分するのであれば、「俺にただでくれ!」と私は言いたいのだが、現実はそうは問屋がおろさない。単にむだに廃棄処分されるだけである。不必要になったパソコンの数々ですら、内部情報があるとか、データ処理がどうのこうのとで、結局業者に引き取らせるか、廃棄処分である。いやはや、何たる税金の無駄か! 腹が立ってくるのでこれ以上はやめるが、こういう感じで、さまざまな問題が「科学技術分野」には潜んでいるのである。

多くの普通の日本人は知らないが(だから私はいくつか本に書いたわけだが)、日本の研究者、あるいは日本の大学人は、その昔の「国鉄職員」や「国鉄の組合員」と非常に似ている。「親方日の丸」で自分たちは表舞台に露には出ないで、表には官僚を押し立て、その背後で画策するのである。今回の「必殺仕分け人」、「必殺仕置き人」によって、初めて日本の大学や研究所に存在する日本人の思考様式や行動様式が、初めて国民の目にさらされたのである。私の個人的観察や個人的経験からして、日本の大学人や研究所職員の人々というのは「国鉄職員」の何倍もたちが悪いのである。知識や教育があるだけさらにたちが悪くなるのである。まあ、そういう人々が日本の若者たちを指導してきたのである。いくらお金をかけても世界一になれるはずがなかろう。

(え)財務官僚の藤城氏の意見は非常に明解である。こういう人が本来なら大学に残るべきだろうが、こういう頭脳明晰な日本人は(大学の先生に嫌がられるため)大方別の場所にそうそうと逃げてしまうのである。ここで議論されているような話題は、今から10数年前、国立研究所が独立行政法人化した7年前(2002年)、そして大学が大学法人化した5年前(2004年)にもこの世界では議論があったのである。もっとも大半の日本人はお忘れだろう。問題は、その都度同じような事を話題にして議論するがそのうちうやむやになって忘れ去られるということである。私の「何が科学をつぶすのか?」というのはその頃のものである。だから、「仕分け作業」が終わり、特に何もなければまたすぐに忘れ去られるのだろう。

(お)最後のNatureの記事は、まあ無視していいだろう。イギリス外交の基本ないしは「鉄則」とは、「だれとでも握手する」というものらしい。しかし、これには注釈がつく。「(いつかそいつを滅ぼしたいのだが、その相手が自分より強い今のうちは)だれとでも握手する」というものである。一方、同じような、俗にいう「八方美人外交」、「シャンペン外交」の日本の場合も、「だれとでも握手する」。しかし我々の場合は、「だれとでも(握手しておかないとやられてしまうので、いざという時に助けてもらうために)握手する」という注釈がつく。

だから、イギリス人の場合、記事や文章で「我々のためになること」や「いい事」を言ってくれたからといって、それを文字通りに理解してはならないし、またその必要もない。なぜなら「日本の味方をするにはそれなりの計算というものがかならずある」からである。これが「イギリス外交」である。言い換えれば、今日本が仕分け作業し、無駄を省かれるとネーチャーが困る事、イギリスの科学界が困る事があるためにそういっているというだけに過ぎないかもしれないからである。彼らが心底日本人のことを考えてくれて本当のことをいうなんてことがあるはずないじゃないか! もしそうなら、なぜイギリスのグラクソ・スミスクライン社の新型インフルエンザワクチンには「不妊作用がある免疫補助剤」が満載されているのだろう? 

ユダヤ人の別名(姉妹国家)である、イギリス人が、彼らが東洋人は早く滅んで欲しいと思っているその日本人のために、その日本の科学に対して本当のことを言うはずがないではないか。もちろん、個人レベルでは大半のイギリス人はいい人たちで、本当に日本のことも心配している人は多いだろうが、そういう人々のその上の人々はそんなふうには考えていないのである。ここのところを誤っては行けない。イギリスのエリートたちは、早く日本列島から日本人がいなくなればいいと思っていると私は見ている。まあ、そんなわけで、(ロスチャイルドの)イギリスのネーチャーの意見など、適当に聞き流せばいいだろうヨ。

いずれにせよ、今は日本の科学技術システムの中にしみ込んだあらゆる無駄を表面化させ、暴きだし、大掃除するのが一番大事なことなのである。

私自身、学校生活も長かったし、自分の子供たちの進学に合わせてさまざまな先生たちを見てきたが、日本の学校システムでは「上に行くほど先生たちの質が悪くなる」のである。つまり、一番たち悪いのが多いのは大学の先生なのである。もちろんすばらしい人も多いが、大学の中では少数派だろう。ここが欧米とは異なっている。もちろん、この際に基準にしている価値観は私個人の価値観によれば、ということである。だから普通の人はそう思っていないだろうと思う。だから、私はそういう人たち、つまり、私があまり好ましいとは思えないような研究者や大学教授がいる世界にそのままお金をつぎ込んで、命を長らえさせたとしても、それでは今の現状が維持されるだけで、また何年か後に同じ事が生じると私は見ているのである。今の大学人をいったん全部首にして、総入れ替えでもしないと、本当の解決には至らないということである。

まあ、そういうことは現実問題としては日本ではできないはずなのだから、結局はこの国の科学技術は遅かれ早かれ滅ぶ。というより、日本は科学技術が大事だといって日本に科学技術を追随させておけば、アメリカにとってのベトナム問題、ソ連にとってのアフガン問題のように、日本にとっての科学技術問題となり、ずるずると湯水のように金が必要となり、最後には破綻して日本国(の官僚制度)が崩壊する、と見ているのだろう。単に時間の問題なのである。きっとイギリスのネーチャーの真意はそんなところにあるのだろうと思うヨ。

ところで、せっかくだからちょっと付け加えておくと、本当の「スパコン」とは人間の頭脳である。私のつたない個人的研究経験ではあるが、かつて私は「スパコン計算」している研究相手に勝ったことがある。どういうことかといえば、我々が同じ問題を研究している時、相手は「スパコン」で計算して解答を得ようとしている時に、こっちは自分の頭脳からでる直感やアイデアで勝負し、こっちが勝ったということである。

ある時、ある研究者は1万個の原子のモデルをスパコン計算して電子状態の研究をしていたが、こっちは純数学の自由群というアイデアを物理に使って、無限個の原子の場合でも”原理的に”計算できる数学的スキームを開発して勝利した。また、ある問題で非常に複雑な多変数関数の級数展開の係数を求める必要が出た時に、相手がスパコンで数式処理システムを使ってダイレクトに係数を有限次数まで求めた時、私は数学における「ラグランジュの逆定理」なるあまり知られていなかった数学定理をうまく使う事で、無限次数の係数を解析的に(つまり手計算で)求める事ができ、相手に勝利した。

こんなふうに、人が科学計算のある問題でなぜスパコン計算が必要かといえば、それは我々が馬鹿で本当の理論を知らないからである。だから間違った理論で計算するからスパコンが必要となるのである。もし正しい見方や正しい理論が得られたら、スパコンなど必要なく、手計算で同じ答えを出すということも可能なのである。

もし、今の人類がニュートンの法則を知らずに惑星運動を計算するとすれば、きっとスパコン計算しているだろう。ニュートンの法則はスパコン計算などいらずに楕円運動を導くための正しい考え方を微積分学という新しい数学を発明することでできるようにしたわけである。こういうことはしばしば科学の世界で起こる。とまあ、こういうこともあるということをここにはメモしておこう。
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  by Kikidoblog | 2009-11-28 23:55 | 真の歴史

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