浅田真央選手堂々の銀メダル:難度か完成度か?私にはプルシェンコ選手と重なった

みなさん、こんにちは。

今回は、オリンピックのフィギュアスケートについて、ちょっとメモしておこう。これは、私は常々思って来たことだが、フィギュアはかつての体操と似た状況にある、ということである。

かつて体操、特に女子体操は、大柄の選手で身体の優美さを誇るか、小柄で技術の高さを誇るか、の2者択一の時代に遭遇した。その結果は、承知のように、前者は「新体操」、後者は「体操」という形で分裂進化した。フィギュアもちょうどこれと同じ時期に入って来たのである。

男子ではプルシェンコ選手、女子では伊藤みどり選手や浅田麻央選手のように、「4回転」、「3回転半(トリプルアクセル)」のように、「もっとも難しい技を追求しよう」という選手・コーチたちがいる。その一方で、男子のライサチェク選手や女子のキム・ヨナ選手のように、「優美さと完成度を追求しよう」という選手・コーチたちがいる。

今現在では、この2種類のタイプの選手・コーチが共存している時代である。にもかかわらず、採点基準は1種類しかない、ということがこれまでの選手の悲喜劇を生んで来たと言える。

今回では、プロから復帰してきた脅威の天才プルシェンコ選手に勝ちたいと思ったアメリカのライサチェク選手要するアメリカのある審判員の「謎のメールの問題」がある(フィギュア男子勢力図、1通のメールが影響?)。この審判員は「彼(プルシェンコ)が『自分にはトランジション(要素のつなぎ)が全くない』と言う時、それをどうやって得点に反映すればいいのか?」とプルシェンコの弱点を強調したという。

このメールによって、採点基準が、技術主導型から表現主導型に大きく軌道修正された。つなぎ(トランジション)と呼ばれる部分の演技の優美さが非常に高得点を得る一方で、最高難度の技術のジャンプの得点が低く抑えられるように変わったというわけである。そもそも、この新ルールの下では、最高難度のジャンプは平凡なジャンプ程度の評価しか得られなくなったわけである。

この結果、今回、このアメリカの審判員の思惑通りの展開となり、プルシェンコ選手は、世界最高難度を次々と成功させても、演技完成度のみのライサチェク選手に負けたのである。ちなみに、4回転失敗の日本の高橋選手は逆にこのおかげで銅メダルに輝くことになったと言えるだろう。

そして、今日、まったく同じようにして、女子最高難度の「トリプルアクセル」を計3回見事に成功させたにもかかわらず、完成度のみのキム・ヨナ選手に負けたのである。

浅田、メダルを首にかすかに笑顔
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たしかにノーミスの完成度の高い演技というものも見ていて美しく、けっしてキム・ヨナ選手やライサチェク選手の偉業は否定すべきではない。彼らの偉業は十分にたたえられてしかるべきだと思う。しかしながら、それなら世界選手権、あるいは、ショーコンテストでも良いのだろうと思う。オリンピックというアスリートの大会であるとすれば、やはりもっとも高度な技に挑戦すべきだろうと私は思う。

モーグルにしても、エアーの高度さや優美さもさることながら、タイムも一番速くなくてはならない。そのためには、「カービングターン」なる、もっとも高度な技を取得しなくてはならない。

これと同様に、もしオリンピックの大会のフィギュアとするのであれば、やはり誰もできないような、もっとも高難度の技を繰り出し、そしてなおかつ優美さも兼ね添えた選手が優勝すべきだろう。

この意味では、私の目には浅田真央選手こそチャンピオンであったように思える。なぜなら、伊藤みどり選手以来、誰一人トリプルアクセルを成功させた女子はいないからである。それを3度も成功させた。

プルシェンコ選手が「4回転は男子フィギュアの将来を決める」、「4回転なしはアイスダンスだ」といったように(【フィギュア】「4回転なしはアイスダンス」 プルシェンコ不満爆発)、
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フィギュアはダンスの一種、個人アイスダンスということになってしまうだろう。私には、「4回転は男子フィギュアの将来を決める」ということばが、「4回転なしではホモのフィギュアになってしまう」と聞こえたが。

いつかフィギュアは、このジレンマを解決するためには、技と優美さの2つのタイプに分かれて行った方が良さそうだと私は考える。

いずれにせよ、プルシェンコ選手、ライサチェク選手、浅田真央選手、キム・ヨナ選手たちの演技はすばらしかった。メダルの色はともかく、心よりおめでとうと言いたいところである。やはり人というのは、全力を尽くしている人の姿を見ると感動するものである。

それにしても、通常はSP最高得点者が一番最後になるはずだったのに、浅田選手の前にキム・ヨナ選手が来たのはなぜだったのだろうか? 普通は、下位選手が先に高得点を上げて、上位選手にプレッシャーをかけるのが、オリンピックの醍醐味だったはずなのだが。どこかで何か手心が加えられたのかもしれないですナ。摩訶不思議。
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  by Kikidoblog | 2010-02-26 18:55 | サッカー&スポーツ

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