寺田寅彦の時代から80年:時代が変わると人も変わる!?

みなさん、こんにちは。

今回は、ちょっと話題を一見変えて、日本の物理学者の草分けの1人、寺田寅彦博士
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の随筆からいくつかをピックアップしておこう。(そうは言っても、実は2004年に昔のKikidoblogに書いていたものである。)以下のものである。

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昭和8年と言えば、1933年のこと。遠い昔の時代である。しかし、人間でいえばほんの2、3世代前。アインシュタインの特殊相対性理論が1905年、一般相対性理論が1915年。量子力学が1925年だから、1933年といえば、かなり物理学は進歩していた時代である。量子力学が誕生して間もなく疾風怒濤の量子論ブームの時代であったろう。

そんな時代に寺田寅彦博士は、かなり時代を超越し、今でいうところの「非平衡系現象」や「複雑系」の先駆的問題をしっかり認識し、ちょっとは研究していたのである。その点、実に偉かったが、やはりその時代の東大ではそれほどの正当的な支持を得ていたかというとどうもそうではなかったようである。

当時はいくら東大教授といっても今の東大教授とは違い、かなり牧歌的で異端児も存在し得た時代のことである。なぜなら、大学は日本にわずかしかなく、およそ研究と呼べるものを行い得るのは、東大と京大などの帝国大学とロックフェラー研究所をまねた理化学研究所しかなかったからである。それゆえ、寺田寅彦博士のようなかなり異端児も大学教授として存在し得たに違いない。午前中は東大で教え、午後は理研で研究。こんな生活を寺田寅彦博士は送っていたようである。

寺田寅彦のそんな時代から80年。もはや東大にはそんな風変わりな物理学者はいない。絶滅した。今では、万葉の時代のお公家さんと見間違えるような、お公家さん体質の物理学者だけとなった。かつてのお公家さんたちが当時の作法にのっとって歌をお詠みになったように、現代の物理学者というものは、現代の作法にのっとって研究するだけ。お公家さんが、お公家さん特有の作法や様式を理解しないものを田舎者とか無礼者とかののしったように、現代の物理学者もまた、現代の物理学者さんたち特有の作法や様式を理解しないものをそうののしる時代となったようである(「ホメオパシーは無意味」医師会と医学会も見解)。こういう問題についてはまたいつか。)

科学とは、物理学とは本来もっともっと自由なものである。自由な発想や仮説に基づき、それを検討して行く。そういうものであった。しかし今では、各部門にある様式や作法に基づかないかぎり論文すら公表できないというかなり危機的状況にある。まあ、末期症状ですな。困ったものである。
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  by Kikidoblog | 2010-08-25 11:14 | 人物

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