タミフルはやはり子供の異常行動の原因となる!:PETによる研究成果
福島第一原発のことはちょっと忘れて、その昔話題になったことをもう一度メモしておこう。インフルエンザウィルスの特効薬として出て来たタミフル
の「異常行動」の問題である。最近以下の興味深いニュースがあった。それをここにもメモしておこう。
タミフル、若い脳に入りやすい…サルで実験
インフルエンザ治療薬タミフルは、幼いサルの脳に取り込まれやすいことを、理化学研究所分子イメージング科学研究センター(神戸市)と東京大のチームが実験で明らかにした。
ネズミでは同じ傾向がみられたが、人に近いサルでも確認されたことで、子供への投与のあり方を巡り議論を呼ぶ可能性もある。米放射線医学誌6月号で発表する。
体内での薬の動きを観察できる陽電子放射断層撮影(PET)装置を使い、タミフルを投与したアカゲザルの脳内濃度を調べた。
人間なら10歳未満の生後9か月のサルは、5~6歳(人間の成人相当)のサルと比べ、投与してから20秒後に平均2・5倍濃度が高まった。人間なら10歳代の2歳のサルも2倍濃度が高くなった。脳に取り込まれるスピードを解析すると、9か月~2歳のサルは大人の1・3倍速いこともわかった。
(2011年5月25日21時10分 読売新聞)
2011年05月25日
子どもは薬物影響大 副作用解明や予測に期待
特定の薬物は、子どもの方が大人よりも脳に取り込まれやすく蓄積もしやすいことを理化学研究所分子イメージング科学研究センター(神戸市)と東京大のチームが初めてアカゲザルで確認し、25日発表した。
チームは、薬物の副作用の現れ方は年齢差がある場合があるが、薬物の脳への移行が関わっている可能性があるとしている。副作用の原因解明や予測に役立ちそうだ。
チームは幼少期、成熟期のサルに、抗インフルエンザ薬のタミフル、抗不整脈薬を静脈に注射。薬に含ませた炭素を目印に脳内の濃度や取り込まれる速さを陽電子放射断層撮影装置(PET)で調べた。
薬物(上段は抗不整脈薬、下段は抗インフルエンザ薬)を投与した幼少期と成熟期のサルの脳。明るい部分が薬物を取り込んだ部位(理化学研究所提供)
まあ、数年前からアメリカの科学者(日本人)の研究で分かっていたことだが、どうやら自分でやってみないと分からなかったということらしい。しかし、何でも自分の目で見て、自分の頭で考えることが大切である。だから、悪いことではないのだが、ちょっと遅すぎる嫌いがあるナア。
いずれにせよ、若い子供の脳(とはいっても、人により千差万別だからたちが悪いが)にはタミフルは異常行動の原因となるということである。今後は、どういう子供がタミフルを異常に脳に吸収し、どういう子供ではそうではないのか、あるいはすべての子供にそうなのか、どの年齢が臨界点なのか、などの問題を研究する必要があるだろう。
いずれにせよ、インフルエンザ薬のタミフル(オセルタミビル)は、向精神薬のプロザックと同様に、欧米の大手製薬会社のドル箱製品だから、研究者が殺されないことを祈るのみ。
おまけ:
その昔、私の昔のブログにこの問題はすでに書いていたので、この機会に再掲しておこう。
by Kikidoblog | 2011-05-25 22:07 | 昔の拙ブログ・記事