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東大の無駄「150億円」?:「無駄」の定義が曖昧、そのままにしておいた方が得!?

みなさん、こんにちは。

いやはや、これは遺憾ですナ。というのは、下のニュースの東大に対してではなく、会計検査院に対してである。まあ、東大も稚拙だが会計検査院の発想は非常に筋が悪い。

<会計検査院調査>東大の無駄「150億円」

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 東京大や京都大、大阪大など15の国立大学で、利用の少ない運動場や施設、着工の進まない建設予定地など有効活用されていない土地や建物が帳簿価格で計約170億円相当あることが、会計検査院の調査で分かった。このうち約150億円相当は東大が占め、東京五輪の会場になった運動場の一部もある。検査院は各大学に具体的な活用計画を立てるか売却するよう求める方針だ。【桐野耕一、袴田貴行】

 ◇東京五輪の会場など活用少ない

 検査院は昨年、東京芸術大など4大学に対し、利用の少ない計約100億円相当の土地の問題を指摘しており、今年も新たに国立大の「埋蔵資産」が見つかった。

 関係者によると、指摘を受けるのは、他に北海道大▽名古屋大▽九州大▽一橋大▽東京医科歯科大▽東京外国語大▽埼玉大▽信州大▽福井大▽静岡大▽高知大▽鹿児島大。

 東大は、64年の東京五輪で近代五種・クロスカントリー競技の会場にもなった千葉市の検見川(けみがわ)総合運動場約27万平方メートルを所有。このうち、クロスカントリーコースやゴルフ練習場計約9万平方メートル(約70億円相当)について、検査院は、学内の利用者が少ないとして指摘対象とする見込み。

 クロスカントリーコースの09年度の利用者は一般開放も入れて約8000人。ゴルフ練習場は、授業などで使うこともあるものの、一般開放していないという。

 東大については、このほか具体的な整備計画もなく更地のまま所有している千葉県柏市の運動場跡地約6万平方メートルなど約80億円相当も対象。他の大学も未利用の土地や利用の少ない施設などがあり、大阪大は約5億円相当、京大と静岡大はそれぞれ約3億円相当を指摘される見通し。

 東大は「検査院からまだ正式な報告を受けておらず、コメントできない」としている。


かつて私が富士通に入って2年目にちょうど千葉県花見川区検見川に住んでいた。そこに会社の社宅があったからである。そのすぐ近くに東大の検見川グランドがあった。当時からほとんど使われていなかったようだが、グリーンのいい場所であった。

そういう遊休地のような大学資産を「だれか」に叩き売れというのが、会計検査院の発想である。売るということは、常に価格変動が伴う。したがって、東大の土地、すなわち国有地、すなわち国民の財産が、かつての「かんぽの宿」のように、外資や朝鮮資本に「ただ同然」で売りつける輩(俗に「売国奴」と呼ぶもの)が現われるのである。

会計検査委員は「売れ」という。すると、資本家が「買いに来る」。「民営化」という名の下に、こうやって国民の財産がどんどん特定の個人のものになる。

もし、会計検査院と資本家が裏で知り合いだったとしたらどうなる? あるいは、検査する方とその結果売りに出される資産を買う方が同じ人物のお仲間だったとしたらどうなるのか? 例えば、海外のユダヤ人や中国人や朝鮮人が買い占めに来たらどうするつもりなのか?

会計検査院はそういう危険性をどうやら(意識的に)無視しているようである。

確かにあまり使わずに放置のままの東大も悪いには違いないが、使えば消耗するからメンテナンスに経費がかさむ。だから、出来る限りそのままにしておくというのは理に適ったやり方である。仮に一般人に解放しても、一般人の民度が低ければ、すぐに施設は破壊され、老朽化し、いたずらに経費がかさむことになる。

問題は、ずっと放置していたために、昔の森林や植物が今も生い茂って、そこから十分な水分や酸素がその地方に住む人々に潤いを与えていることである。ここが無視されているということである。

植物は、その地の気候を非常に保全する役目を担っている。夏でも気温を一定に保つ。冬でも保湿する。こういう有形無形の恩恵を東大の土地は与えているのである。

まあ、そういうわけで、ずっとそのままにしておいたら、いいんじゃね〜〜、というのが私の個人的見解であるというわけですナ。

大学が日本という自然を保有するというのも、アカデミズムの大事な役割なのである。かつて羽仁五郎博士が、ハイデルベルク大学のことを論じて、その街の広場のことを言っていた。文明には広場が必要だと。なぜならそういう広場で悠久の知識を論じ、議論し、切磋琢磨する、そういう場が必要だからだというような話であった。

まあ、それに似て、大学内にちょっとした余裕、ちょっとした遊びの部分があってもいんじゃね〜、というわけですナ。

ついでに付け加えておくと、1980年代の後半に「土地代に見合わない研究所は出て行け」という時代があった。バブル全盛の時代のことである。東京の港区六本木、今では「六本木ヒルズ」というビジネス街に変貌した場所だが、昔「六本木のアマンドストリート」と呼ばれ、恋人たちの聖地であった場所の1つである。そのすぐ近くのひっそりした場所に、東大の物性研(物性物理学研究所)と生産研(生産技術研究所)があった。この研究所が、当時バブル全盛期で地代が1坪何千万円かした土地の上にあったのである。だから、当時の文部省が物性研にどこかへ出て行けということになったのである。そのお引っ越し先が千葉県の柏であった。

この柏は私が東京理科大理工の大学生だったころ、よくそこの駅前のほとんど唯一のビルであった「柏そごう」のボーリング場で友達とボーリングしに行った場所なのである。東部野田線に大学のある運河駅やその近辺から乗り(もう数十年前で駅名を忘れたが)、しばしば柏には行ったものである。1980年代前半のことである。

そこはその後どうなったのか知らないが、その柏に物性研が移動したのである。私個人は、アメリカのユタ大学にいた頃、物性研が柏へ移動することが本決まりになったという噂を聞いたものだが、それ以後一度も柏も物性研も行ったことがないので、どんな感じかは知らずじまいである。

しかし、その柏も今では、福島からの「死の風」にさらされる場所の1つに数えられる。千葉も似たようなものだろう。だから、会計検査院に東大の土地を売れと言われて売りに出そうにも、すでに土地代としてこれから暴落の一途を辿るわけである。だから、損することしかあり得ないだろう。だから、そのままにしておいた方が無難に違いないのである。

いやはや、「木を見て森を見ない」、「目先の損を恐れて一生の損をこく」。どうやら会計検査院の見識は、保安院同様に、何かが変である。困ったものですナ。

  by kikidoblog | 2011-09-28 17:47 | 東大話法

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