第90回高校サッカー選手権:あまりにもPK戦が多すぎ、延長戦導入すべし!

みなさん、こんにちは。

昨日サッカーの話題をメモしたついでに、ちょうどいま行われている高校サッカー選手権大会のことをメモしておこう。最近あまりに目立つ点が出て来たので、良い機会なのでここにメモすることにしたのである。

まずは昨日までに行われた試合結果について、私が書き入れたものを見て欲しい。
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(あ)まず、これをみてすぐに分かることは、試合日程が非常につんでいるということである。
12月31日に開幕して1回戦ベスト32。
2日後の1月2日に2回戦ベスト16。
翌日の1月3日に3回戦ベスト8。
その2日後の1月5日にベスト4。
その2日後の1月7日に準決勝。
その2日後の1月9日に決勝。
優勝までに約1週間で6試合を連戦しなくてはならない。

プロサッカーの場合、週2試合でも過酷といわれる。週1回のペースで試合が行われるのが普通である。これと比較しても将来ある伸び盛りのサッカー選手にとって1週間で5試合はきつい。大半の選手がケガ人となるだろう。一方、運営側からすれば、短い時間で決着がつく方が有り難い。運営費がカットできるからである。

(い)次に、すぐ分かるのは、PK戦がやたらと多いということである。

今大会では
1回戦で16試合中6試合。2回戦で16試合中1試合。3回戦で8試合中4試合。準々決勝で4試合中1試合。四日市中央においては2試合連続PK戦勝ち。
この理由は、延長戦がなく、引き分け=PK戦になったからである。かなり昔は延長戦が認められていたが、ある時期から選手への負担を減らすためという名目から、いきなりPK戦へと変わったからである。これがいつ頃だったのかについてはちょっと記憶が乏しい。

この2つの問題点がもしサッカーの質に関して特に影響ないとすれば、特に問題にはならない。しかしながら、ここ10年ほどの記憶でも、過密スケジュールかつ延長戦無し則PK戦方式はかなり高校サッカーの質の低下を招いているように見える。

昨日の市立船橋vs矢板中央の試合を見ていても、両校ただボールを前に蹴るだけ、ボールを受けたらドリブルするだけ、ばかでかいCFにロングフィードするだけというサッカーであり、昔の市立船橋のサッカーや昔の帝京高校サッカーなどのレベルからは著しく劣ったサッカーに成り下がっていたのである。

これも勝負にこだわるからそうなるのであって、選手たちがいいプレーができないからそうなったのではないはずである。たったの40分ハーフで80分以内に決着できなければ即PK戦というのであれば、とにかく前にボールを送って相手のミスを誘って得点するという、昔ながらの「ラグビーサッカー」しかできなくなるのは当然である。

実際に、国学院久我山とか、済美とか、いいサッカーをするチームがPK戦敗退してしまっているのである。この傾向は大分前意からずっと続いて来ているが、これでは「いいサッカーしたら敗退する」ということになり、実に残念な結果になってしまうだろう。

(う)3つ目の問題点は、開幕戦前にケガ人が多発するということである。

この問題は、あまり高校サッカーに詳しくない人にはまったく分からないことである。これはどういうことかというと、各都道府県予選が終わるのが11月中から12月上旬であり、代表校が決まってから12月31日大晦日の開幕戦までに長ければ1ヶ月近くのブランクがあく。そこで、各代表校の監督は、その間に(特に現地入りしてから)他の都道府県の代表チームと数試合から多ければ10試合も練習マッチを行うのである。そのために、主力選手が疲弊し、大方ケガ人になってしまうのである。ひどい場合は骨折やアキレス腱の断絶などの重傷を負い、本戦出場ができないというジレンマに陥るわけである。

私が見た範囲でも、徳島市立のエース武田選手も大会前に負傷していたし、ほとんどすべてのチームにそういう形でベンチに残ってしまった3年生がいた。これは明らかに馬鹿げているのである。

確かに初戦敗退すれば、たった1試合しか経験できずに帰郷するはめになるから、選手にいい経験を積ませたいという監督やコーチの親心は理解できるが、負傷して本戦にベストコンディションで挑めないというのは本末転倒である。

徳島の場合、昨年以前は徳島商業が本戦前に10試合も練習試合を行い、その間に初戦の対戦相手に十二分に研究され尽くして本戦であえなく敗退するという歴史を作っていたのである。


こんなわけで、私は、都道府県予選終了から本戦まで1ヶ月もブランクがあるのであれば、本戦の日程をもっと早くに繰り上げて、1週間に1試合か2試合のペースで本戦を行ってよいと考える。そして、1回戦から全試合45分ハーフの15分ハーフの延長戦あり、そしてPK戦という普通の試合形式(あるいは、15分ハーフ延長Vゴール方式)で行うべきだろうと思う。

サッカーは強いチームほど終盤に強い。40分ハーフから45分ハーフに変わるだけでも最後の終盤のロスタイム付近で決着がつき、確実に延長戦やPK戦の数が減るだろうと見る。

高校生に「良いサッカーをして勝つ」という習慣を身につけてもらうためには、こういう手間ひまは絶対に掛ける必要があることである。さもなくば、相も変わらずのラグビーサッカーで身体能力だけの勝負となるのであれば、自分の学校の学区から選手をとって伸ばす高校よりも全国区で推薦入試枠で大柄な選手を集めた学校が勝つだけのことになるだろう。学校の資金力だけのサッカーになるということである。

いいサッカーをして勝つためには、高校サッカーの指導者たちにも頭を変えてもらい、ただ蹴るだけの田舎サッカーからバルサ流のパスサッカーへの変化を要請しなくてはならない。Jリーグや高体連はそういう指導を監督に促すべきだろう。

高校サッカー時代がもっとも大事な年代であるから、男子サッカーが世界トップに入るためには、サッカー協会やJリーグはもっと高校サッカー界へも注文するべきだろう。


ついでにつけ加えておくと、私は、アイスホッケーやバスケットボールのように、あまりにひどい反則には相手側へのPKを与えるとか、決定機を外したら相手へのPKを与えるとか、日本独特の特別ルールをこの年代の選手には課しても構わないと考えている。さもなくば、いつまでたっても決定機に見事にふかす、見事にはずす、迷選手ばかりになるからである。あまりに汚いプレーには「1分間の退場処分」とか、さまざまなやり方があり得る。

しかしながら、同時に審判団のレベルアップも相当に必要である。徳島県予選などでは、審判は自分の出身校や名だたる伝統校への思い入れが強すぎて、弱小チームがいつもアウェー扱いを受ける。強豪チームの選手のファールは見逃されるが、名もないチームの選手の反則は取られすぎることになる。バレーでもバスケットでもそういう傾向が徳島にはあり、そのため、全国大会ではまったくアウェーになるために実力が発揮できない。今年もダントツで代表になった、ラグビー、バスケット男女、バレーボール男女などことごとく初戦敗退であった。

サッカーの全国大会でもこれと同じような傾向がまま見てとれるのである。例えば、昨日の市立船橋の1点目のフリーキックでは、ダミーとしてオフサイドポジションにいた選手が味方のヘッドをした選手を守るために相手DFを手でブロックしていたのだから、プレーに参加したわけである。だから、厳密には戻りオフサイドのオフサイドである。こういうものも有名校が有利になるように見逃される傾向にあるというわけである。県予選ほどひどくはないが、そういう傾向もしばしば見受けられるのである。

こういう点を改善しなくてはならないだろうが、なかなか難しいところである。


おまけ:
壮絶なスコアレスに思う「延長戦の導入を」

PK戦は時の運。決勝では延長戦が行われるが、準決勝は90分で決着がつかなければ延長なしの即PK戦となる。国立という大舞台での一戦、日程的には準決勝の前と後に休みができたことで、リカバーの時間もある。そろそろ即PK戦を見直してもいいのではないだろうか。もちろん、テレビ放映などの問題はあるかもしれないが、最高の舞台での最高の戦いを流れを分断して即PK戦というのでは、いささか消化不良は否めない。

 実は準決勝が45分ハーフになったのは第87回大会(2008年度)からで、これは最高の舞台で「40分ハーフでいいのか」という議論から、大きな進歩につながった。ならば、延長戦の導入も真剣に検討してほしい。
 延長戦が見たかったと思わず、納得してPK戦が見られるように。


おまけ2:
市立船橋・朝岡監督「大分は迫力が想定の半分」

市立船橋・朝岡監督「大分は連戦の疲労からか、迫力が想定の半分ぐらいだった。選手たちがたくましく、ここまで連れてきてくれた」(2012年1月7日20時52分 読売新聞)

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  by kikidoblog | 2012-01-06 16:37 | サッカー&スポーツ

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