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外国人による「介護士試験」の合格発表:悲惨な結果を予見できたはず!?

みなさん、こんにちは。

昨日、外国人による「介護士試験」の合格発表が行われ、晴れて介護士資格を得て日本で働ける人々と、それに落ちて泣く泣く帰国せざるを得なくなった人々とに明暗が分かれたようである。以下のニュースである。
外国人介護士 門戸をさらに広げたい(3月29日
介護福祉士:EPA受け入れ、言葉・制度が厚い壁 省庁の姿勢バラバラ

◇受験機会は原則1回
 EPA(経済連携協定)に基づく初の介護福祉士試験で36人のインドネシア人とフィリピン人が合格(合格率37・9%)した。それでも受験を目指して来日する外国人はピーク時の3分の1以下に減っている。言葉の壁に加え、受験できる機会は1度だけとあまりに厳しいためだ。外国人の受け入れは積極派の経済産業、外務両省と消極派の厚生労働省の「妥協の産物」として08年度に始まったばかりだが、導入4年目にして早くも存続が危ぶまれている。【稲田佳代、鈴木直】

 「毎年受けられたならもっと余裕があったのに」「『あいうえお』から始めて、3年間で合格するのはプレッシャーが大きい」

 合格したインドネシア人のワヒューディンさん(30)らは28日、東京都内で記者会見し、来日からの苦労を語った。

 EPAに基づき、インドネシア、フィリピン人は「介護福祉士候補者」として来日する。介護施設で3年間実務を経験した後、1月の国家試験を受ける。滞在は4年間に限られているため、チャンスは原則1度きり。不合格なら帰国を迫られる。

 先行する看護師試験では外国人の合格率は1割程度。介護は今回上回ったとはいえ、世界最速級で進む少子高齢化を前に人材逼迫(ひっぱく)に対する介護業界の焦りは強い。

 政府は今後、ベトナムとも協定を結ぶ。しかし、いずれも外国人の受け入れ目的はあいまいだ。介護業界、外貨獲得を目指す各国の意向を背に経産、外務両省は介護を成長の見込める雇用の受け皿とみて拡充を狙う。

 ところが厚労省は元々外国人労働者受け入れに消極的。受け入れ是非論への発展を嫌い「EPA上の特例で人手不足解消策ではない」と強調している。

 政府のどっちつかずの姿勢は、候補者を受け入れる介護施設の減少を招いている。08年度に53施設あったインドネシア人の受け入れ施設は、11年度には29施設に減った。フィリピン人向けは、09年度に92施設だったのが11年度は33施設と3分の1近くに減少した。

 そうなれば送り出す側も候補を絞る。インドネシアの介護福祉士候補者は09年度の189人が10年度は77人、11年度は58人に。フィリピンも09年度は217人だったのが11年度は61人に激減した。

 背景には事業者に支払われる介護報酬上の扱いもある。施設は入所者3人に職員1人を配置(3対1基準)する必要があるものの、外国人候補者は職員とみなされない。介護報酬から人件費は出ず、雇うなら施設側の持ち出しとなる。

 批判を受け、厚労省は4月以降、夜間などに基準を超す人員を配置した場合、外国人候補者でも報酬を加算する。だがあくまでも補助要員で、3対1の基準は従来の職員で満たさなくてはならない。

 一方で介護経験ゼロでも日本人なら職員として扱われる。候補者は母国では「介護士」の認定などを受けているだけに、あるインドネシア人候補者は「私たちは存在が認められていない幽霊職員だ」とため息をつく。

 ◇将来は看護師も/日本語難しい…明暗分かれ
 初めての合格発表があった28日。共に働き、学んできたインドネシア人たちの明暗が分かれた。合格者が期待を語る一方で、特例で来年もチャンスを与えられた不合格者の間には「再挑戦か、帰国か」と迷いが広がった。

 東京・霞が関の厚生労働省には午後1時、会議室の机に合格者名簿が置かれた。名簿をめくったサリプディンさん(28)はガッツポーズ。「将来は医療が進んでいる日本で看護師の資格も取り、インドネシアに戻りたい」と夢を語った。一緒に来た同僚のジョコさん(26)は受験番号がなく、「離れて暮らす妻を呼んで一緒に暮らすつもりだったのに」と肩を落とした。

 2人は08年に来日し、「東京都板橋ナーシングホーム」で働く。ジョコさんは来年再挑戦するつもりだが、「日本語が難しいうえ、介護のことでも勉強することが多い」と心配そうだ。

 山梨県甲州市の特別養護老人ホーム「光風園」では、ポピ・アルフィアトゥロフマーさん(25)とエラ・ジュラエハさん(24)がインターネットで合否を確認した。ポピさんだけが合格した。

 来日当初、2人は簡単な会話しかできなかった。今は方言も少し理解できる。研修担当者の守屋英一さん(42)は「彼女たちは本当に一生懸命勉強した」と3年間を振り返る。慣れない漢字や専門用語の勉強は大変だった。ポピさんは昨秋から毎日机に向かったが「仕事が終わってからの勉強は嫌になる時もありました」。エラさんも「仕事だけで疲れてしまった」と話す。

 ポピさんは今年大学に入学する弟の学費のため、4年間は日本で働くつもりだ。一方、エラさんは来年も挑戦するかどうか「まだ決められない」と悩む。守屋さんは「笑顔がいいエラさんはすごく介護に向いている。また挑戦してほしい」と励ます。【石川隆宣、稲田佳代】

非常に困難な試験に合格された方々にはおめでとうを言いたい。また不合格になった人々も更なる努力を期待したい。

さて、この制度に関しては、私はこの制度ができた頃(6年前)に、昔の拙ブログKikidoblogにメモしておいたので、ちょうどいい機会なので、再掲しておこう。以下のものである。
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それ以来、ずっとどういう結果に陥るかと観察していたわけだが、今回のさまざな地方のニュースを見た限りでは、まさに私が予見した通りの展開になったように見える。この間アメリカは発展途上国のお医者さんたちを根こそぎしてしまったに違いない。

やはり上に世間知らずの「お公家さん」がついてしまうと、その社会というものは滅びの運命となる。この制度も実施すればするほど、外人介護士を必要とする介護施設の費用がかさみ、その職員が過労となり疲弊する。そして、外人介護士によって楽になるという表向きの大義銘文とは異なり、実際には、まったく逆の結果となったわけである。要するに、日本語のできない発展途上国の若者たちを日本に引き入れて再教育するため、介護どころか介護学校、介護職業訓練所に変貌したわけである。そして、日本の要介護老人たちはその教材とされてしまったというのが現実の結果であったということである。

こんなことは、つまり、こうなることは6年前の最初にすでに分かったことなのだが、馬鹿なお役人というのは何事もやってみなければ分からない、というものなのである。しかし、やってみて分けるのであれば、その間の経費や税金や労力の無駄に対してはきちんと責任を取らなくてはならないはずなのだが、馬鹿なお役人というのは、そういうことはうやむやにして、むしろ逆効果を増長させようとするものなのである。福島第一原発の事故処理の場合とまったく同じである。

この世界で正当に競争して勝ち残ろう、生き残ろうとするのでれば、用意周到にさまざまなことを平行して考えるという能力を培わなくてはならない。これを「流動性思考」というが、これはまだ日本ではあまり知られていないものである。まあ、これについてはまたいつかメモすることもあるだろう。

  by KiKidoblog | 2012-03-29 22:08 | 昔の拙ブログ・記事

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