キュリオシティーが示す火星の空の色は?:「火星の空は淡いブルー」ですナ!
昨日、こんなニュースがあった。NASAの火星無人探査機キュリオシティ(好奇心)が、自画像を配信した。どうやって?というものだった。以下のものである。
キュリオシティ、自画撮りの謎
まるで誰かが撮影したような、火星探査車キュリオシティの自画撮り画像。ロックネストと呼ばれる岩場に佇むキュリオシティ、足下の車輪跡、背景のシャープ山のほか、ロボットアームが土壌を採取した跡まで映っている。
不思議な写真だが、宇宙人が撮影したわけではない。仕掛けの背景には、企画者3名のイマジネーション、約2億キロ離れた遠隔操作を実現する精密なロボット工学、綿密な事前計画や、画像編集ツールの連係プレーが潜んでいる。
私が興味を持つのは、自画像をどうやって撮ったかなどということにはない。むしろ、この画像の火星の色は相変わらずのNASAの「刷り込み作戦」、「隠蔽工作」が施されているということである。
いまどき、NASAのいうことを信じるものなど、いわゆる「B層」以外にどこにもいない。なぜならNASAの元職員のほとんどが「NASAの公表したことはほぼ100%ウソばかりだった」と言っているからである。
さて、この写真のどこにウソがあるか?
それは、火星の色である。特に空の色。NASAは1970年代以来ずっと「赤い惑星火星」、「火星の空はピンク色」という「NASA伝説」を生み出し、それをかたくなに流布している。
その理由というのがしょっている。「火星の大気はCO2ばかりだからだ」というものだった。
しかしながら、気体そのものには色がない。酸素も水素も窒素もCO2も色がない。色がつく時がある。それはガスが液化したり、固化したときである。それ以外は色がない。これが物性物理学の基本知識である。なぜなら、通常、絶縁体だからである。だから、これだけでは色がつく理由にならない。
そこでなぜ地球の空は青いか?
それは、光のレイリー散乱のせいだ。周波数ωのベキ乗に比例して散乱するから、周波数の大きな青波長が散乱し易いからだ、ということになった。
レイリー散乱
レイリー散乱(レイリーさんらん、Rayleigh scattering)(レイリー卿ジョン・ウィリアム・ストラットにちなむ)は、光の波長よりも小さいサイズの粒子による光の散乱である。透明な液体や固体中でも起きるが、典型的な現象は気体中の散乱であり、太陽光が大気で散乱されて、空が青くみえるのはレイリー散乱による。散乱の量は粒子の大きさと光の波長による。散乱係数は波長の4乗に反比例する。
nは粒子数、dは粒子径、mは反射係数、λは波長。
これは、いわゆる「後付け」理論である。これでは、朝焼けや夕焼けが赤いことは示せるが、元々の空がなぜ青いかについては説明できていないのである。言い換えれば、「空が青い」ことが前提になっているのである。
ひとたび、空は青いとすると、夕焼けはなぜ美しい真っ赤に染まるかというと、それはレイリー散乱のせいだという話なのである。
では、もともとなぜ空は青いか?
これは、もちろん太陽の光の特徴を反映しているわけである。もともとのスペクトル成分が、我々の地球程度の大気を過ぎる時には、青く見えるような成分が多く含まれているということなのである。
だとすれば、火星の大気はずっと地球の大気より薄い。
火星だとすれば、いくらレイリー散乱という法則があろうが、そもそもそれを受けるだけの光行程が存在しない。ほとんど直に地表に達するわけである。
火星の大気は希薄で、地表での大気圧は約750Paと地球での平均値の約0.75%に過ぎない。逆に大気の厚さを示すスケールハイトは約11kmに達し、およそ6kmである地球よりも高い。
だとすれば、火星であろうが金星であろうが、地球であろうが、どの地表でお空を眺めたとしても我々の地球で見る色とそれほどの差がないのだ、と考えなくてはおかしいのである。
ちなみに、火星の大気の記述には上のように、あたかも地球大気の方が浅いように書いているが、今度は地球大気を見るとこうある。
地球の大気いかに火星の記述がウソかわかる。地球の大気はずっと深くかつ濃い。
対流圏 (Troposphere)
0 - 9/17km。高度とともに気温が低下。さまざまな気象現象が起こる。赤道付近では17km程度と厚く、極では9km程度と薄い。成層圏との境界は対流圏界面と呼ぶ。
成層圏 (Stratosphere)
9/17 - 50km。高度とともに気温が上昇。オゾン層が存在する。中間圏との境界は成層圏界面と呼ぶ。
中間圏 (Mesosphere)
50 - 80km。高度とともに気温が低下。熱圏との境界は中間圏界面と呼ぶ。
熱圏 (Thermosphere)
80 - 800km。高度とともに気温が上昇。
というわけで、仮にレイリー散乱理論を基本にしても、火星のお空は青色、おそらく淡いブルーだろう、というのがもっとも理に適ったところなのである。
さて、最初の写真に戻る。この写真を使って、お空が淡いブルーになるように色補正してみよう。そうやって出来たものが、以下のもの。
色補正済み
最初の写真とこれとどちらがより見やすいか?
もちろん、後者であろう。特に注意して欲しいのは、キュリオシティーの上部にある六角形の部分である。この中の色を覚えていて欲しい。これは、最初のものとちょっと異なる。いわゆるクリーム色である。最初の色はちょっと茶色に近い。
そこで、このキュリオシティーがまだ火星に旅立つ前に地球にいた頃の写真がないかと捜したところ、ここにあった。以下のものである。
How will the Curiosity Mars rover phone home? (+video)
この画像にも「六角形」の部分がある。その色と上の2つを比べるとどっちに近いか?
もちろん、私の方であろう。
とまあ、そんなわけで、これまで何度もここに「火星のお空の色は淡いブルー」ですよ、とメモして来たが、今回もまた見事にそれを示したと言えるだろう。
同時に、NASAは日常的にウソを報道する、デマ組織だということですナ。まあ、彼らにしてみれば、今度はこっちがデマだということになろうが、頭の普通の人ならまず騙されることはないにちがいない。
by KiKidoblog | 2012-12-07 11:17 | 火星