「科学の独裁者」ギンスパーグ:プレプリサーバーを支配するものは科学を支配できる!

みなさん、こんにちは。

さて、いまメモした
有言実行:「最適制御過程における非平衡熱力学の理論:数学的定式化」が完成!?
のことは大したことはない。実は本当にメモしておきたかったのは、こっちの方である。私の論文のことなどどうでもいい。

それは、最近では、「科学の陰謀」ないしは「科学の負の側面」として知られるようになった、ある種の陰謀(のような)ことである。「科学の」とつくように、私のように、英語論文を書くことができる博士達のレベルのお話である。だから、普通の日本語や、普通の英語程度を読む人たちが目にすることではない。それゆえ、マスゴミに出ることはない。

これはこういうことである。

先の私の英語論文のようなものを大学の学者や国立の研究者が書いたとする。いまでは、日本の大学や国立の研究者は論文一つ書き上げるまでに、実験も理論も全部ならして平均すれば、1つあたりで、2000万円近い税金を使用しているのである。数年まで東大が一番使っていて、1800万以上であった。

これほどの税金をかけたものだから、ぜひネイチャー(英国)やサイエンス(米国)などの科学雑誌(これらは商業誌)
ノーベル生理学・医学賞ランディ・シェックマン教授「俺は商業主義は大嫌いだ!」
に出したい。あるいは、アメリカのPhycial Review LettersPNASなどに公表したい。前者は主に物理関係、後者は主に生物関係。なぜなら、こういった研究雑誌はIF(インパクト・ファクター)が高いからである。

ところが、昨今では、そういう雑誌に出す前に、プレプリントサーバーというもに出しておく。ちなみに、プレプリントとは、それが公表される前の原稿のことである。

私が米ユタ大に留学した頃、1980年代では、プレプリントというものは、郵送していたのである。自分の読んでくれそうな研究者がいる大学にいちいち封筒にプレプリントを詰めてそれらを郵便として送ったのである。いまではあまりに非常識に感じるだろうが、インターネットのなかった当時では、大学院生やポスドクが次の職を狙うためには、自分の研究論文であるプレプリントをまず第一に論文雑誌に送り、同時に他の大学の研究者にも郵送したのである。

ところが、その後、1990年代になると、インターネットが誕生した。そこで、今度は郵便料金を減らすため、また紙代を減らすためにという目的で、プレプリントサーバーというものが誕生したのである。この一番有名なものが、arXiv.orgである。これは、私立大学のコーネル大学内に設置された。

設置管理者は
Paul Ginsparg
e0171614_12473572.jpg

e0171614_12455114.jpg

ポール・ギンスパーグ(Paul Ginsparg、1956年-)はアメリカの物理学者。2001年からコーネル大学の教授(物理学、計算情報科学)。アメリカ物理学会のフェロー。プレプリントサーバarXivの開発者として有名。arXivは1991年から2001年、彼がロスアラモス国立研究所のスタッフだった時期に開発された。
論文の投稿分野は場の量子論、弦理論、共形場理論、量子重力理論。
という「高エネルギー」理論物理学者である。もちろん、風貌からも名前からも典型的なダブルスタンダード(=二重価値観)文化の偽ユダヤ人である。

実は、この論文サーバーシステムがいまでは、科学の発展上もっともジャマな存在となってきているのである。このことを一般人も一般の研究者も知らない。あらたなる「陰謀の温床」となってしまったのである。これに噛み付いているのは、勇猛果敢なバイキングの血筋の西洋人である。

前置きが実に長くなったが、これについてメモしておこう。

(あ)さて、上にメモしたように、論文執筆者が論文を完成すると、真っ先に研究雑誌に投稿する。いまでは、郵送などすることはなく、研究雑誌にある論文受理サーバーにアップするのである。すると、2〜3人の論文閲読者(ピア・レビューアーという。通称レフェリーと呼ぶ)が選ばれて、この連中がその論文が公表にする緊急性や価値があるかを判断する。そしてそれが認められると、公表のタイムラインに乗る。もし拒絶されると、そこで「却下」される。その際にそれぞれの閲読者たちのコメントが添付される。「〜〜しかじかの理由でこの論文はボツですナ」という意見が来る。

これに対して、著者はその意見に負ければ、それでボツ。論文投稿は白紙に戻る。なかったことになる。しかしもしそれに不服であれば、それぞれの意見に「丁重な反論」を加えて、自己弁護するのである。

それでもダメだという意見が閲読者から来たりすると、最終的には、論文の編集者が掲載の許可を決定する。そこで不掲載が決まるとどうなるか。

この場合には、論文執筆者は別の雑誌に同じ論文(プレプリント)を投稿してまったく同じプロセスを踏む。そうすると、今度は自分の研究への理解者がいて、そういう場合には掲載許可が下りる。

つまり、

捨てる神あれば、拾う神あり

なのである。

いまでは、どこの科学雑誌もこういうプロセスを通じて論文を公表する。西洋人は、歯に衣着せぬ意見を書いてくる。だから、ナイーブな人間はこの段階で落ち込んでしまう。それで本人がポシャればそれで終わりとなるのである。永久に論文は科学雑誌に出ることはない。

とまあ、こういうプロセスを知らない人にはこの問題は理解できない。

(い)さて、問題はここから始まる。このプロセスの前のプレプリントサーバーの問題である。

そこで、私のように英語論文を書き上げると、それをプレプリント・サーバーに載せたい。ところが、そのためには「エンドーサー」(endorser=保証人)と呼ぶものが必要になる。プレプリント・サーバーが誕生した頃にはこれはなかった。だから、たまには例外的に「変な論文」や「アマチュアレベル」の論文が載ることがあった。そこで、これを除去するために、エンドーサーを置くことにしたのであるらしい。

ところがそうなると、だれかに保証人になってもらう必要が出る。困ったことにこのエンドーサーは分野ごとに異なる人になってもらわなければならない。一般物理、非線形物理、生物物理など分野ごとにエンドーサーになれる人が違うのである。

また、エンドーサーの資格自体にも問題がある。ここ数年でプレプリント・サーバーに数編の論文が掲載されたものでないとなれないのである。そういう条件がつく。

この二つの条件だけでも相当にきつい。だから、大半の人は論文サーバーに乗せることすら出来ない。私自身乗せることが出来ないのである。かなりの専門家でも自分の分野と違う分野では論文は出せなくなったのである。

そして、さらにこんな問題が生じてきた。

それは、仮に自分がせっかく作った論文を論文サーバーに乗せたとしよう。こうなると、論文は研究雑誌に公表される前に論文サーバーに載る。そして世界中の研究者がその論文をただで読むことができる。

最初はこの手法は良かったと考えられた。だが、もしすでに論文サーバーに載ったあなたの論文が同時に研究雑誌に投稿される。論文サーバーにもそういう情報が出る。

これが無事に掲載許可されればよろしいが、もし掲載不許可となったらどうなるか?

今度は同じ論文を別の科学雑誌に送る。ところが、その時のレフェリーがもし論文サーバーを見て先に読んでいたらどうなるだろう。すでに他の論文雑誌で「不掲載」になった論文である。それを自分が「許可」することになる。だから、結局そのレフェリーもまた「不掲載」を判断する。そしてそのための理由を適当に捏造するというわけである。

つまり、

捨てる神あれば、捨てる神あり。

の世界に変わったということなのである。


(う)こういう問題を扱った記事がこれ。
Addressing the Need for Freedom in Scientific Research
e0171614_13472947.jpg


The history of science teaches that the greatest advances in the scientific domain have been achieved by bold thinkers who perceived new and fruitful approaches that others failed to notice. If one had taken the ideas of these scientific geniuses who have been the promoters of modern science and submitted them to committees of specialists, there is no doubt that the latter would have viewed them as extravagant and would have discarded them for the very reason of their originality and profundity. As a matter of fact, the battles waged, for example by Fresnel and by Pasteur suffice to prove that some of these pioneers ran into a lack of understanding from the side of eminent scholars which they had to fight with vigor before emerging as the winners. More recently, in the domain of theoretical physics, of which I can speak with knowledge, the magnificent novel conceptions of Lorentz and Planck, and particularly Einstein also clashed with the incomprehension of eminent scientists. The new ideas here triumphed; but, in proportion as the organization of research becomes more rigid, the danger increases that new and fruitful ideas will be unable to develop freely.

Let us state in a few words the conclusion to be drawn from the foregoing. While, by the very force of circumstances, research and teaching are weighted down by administrative structures and financial concerns and by the heavy armature of strict regulations and planning, it becomes more indispensable than ever to preserve the freedom of scientific research and the freedom of initiative for the original investigators, because these freedoms have always been and will always remain the most fertile sources for the grand progress of science.

Nobel Laureate Louis de Broglie, April 25, 1978

Repression of Physicists in the 21st Century
21世紀における物理学者の抑制
e0171614_13442887.jpg



The Consequences of Being Blacklisted from Posting to ArXiv.org

Why all this fuss about Ginsparg's Suppression Policies

If a paper is submitted to a refereed journal and is rejected due to a negative review, the author still has the opportunity to submit to another journal. If his work makes a significant contribution to a field of science, eventually he will find a journal whose referees will understand the value of his work and it will be published. The referee process is confidential. So, when a paper is rejected from one journal, it does not become common knowledge. The author may submit his paper (hopefully in improved form) to another journal without the referees of the next journal knowing its previous review status.

The situation is quite different in the case of the electronic preprint archive. If a scientist is rejected from ArXiv.org, e.g., prohibited from having posting privileges, the result will soon become apparent to the rest of the physics community since his papers will not appear on the archive inventory. Unlike professional journals, where there are many to choose from, there is only one ArXiv.org and its extended mirror sites, and it has positioned itself as the main repository for preprint papers in physics, astrophysics, and mathematics. This blacklisting has serious repercussions for the scientists who are discriminated against.
。。。


まあ、そういうわけで、科学の世界もいまではプレプリント・サーバーに載せることのできる研究者が科学社会をコントロールできるという時代になったのである。そして、それを後押ししたのが、ギンスパーグという理論物理学者だったのである。ギンスパーグはいわば「科学の独裁者」になったのである。その一方で、「科学に自由を」と叫ぶ欧米の科学者もどんどんでてきているのである。

これで、論文サーバーに載っているような科学論文はあまり新規性も面白くもないという理由が分かっただろうヨ。

まあ、ギンスパーグは「超ひも理論」の天動説化に貢献した物理学者(というよりは、応用数学者)ということになるでしょうナア。あまり物理を理解できているようには見えないからナ。

知らね〜〜よナ、こんな話はナ。

いやはや、世も末ですナ。



e0171614_11282166.gif

[PR]

  by kikidoblog | 2014-01-12 14:06

<< 高校サッカー選手権決勝富山第一... 有言実行:「最適制御過程におけ... >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE