人気ブログランキング | 話題のタグを見る

有言実行2:「最適制御過程における非平衡熱力学の理論:最大原理の物理学的理解」が完成!?

Live as if you were to die tomorrow. 明日、死ぬかのように生きろ。
Learn as if you were to live forever.  永遠に生きるがごとく学べ。
ーーマハトマ・ガンジー
有言実行2:「最適制御過程における非平衡熱力学の理論:最大原理の物理学的理解」が完成!?_e0171614_1252339.png

マハトマ・ガンディーさんの名言・格言・英語 一覧リストより


みなさん、こんにちは。

なんていい天気なんだ? そうじゃないかい?

さて、前回メモした
有言実行:「最適制御過程における非平衡熱力学の理論:数学的定式化」が完成!?
の次、第二弾の論文がほぼ完成した。それを一応ここにもメモしておこう。以下のものである。
☆ 井口和基、
"Theory of Non-equilibrium Thermodynamics in the Optimal Control Processes 
Part II: Physical Approaches to the Pontryagin's Maximum Principle
", ver.1, Jan.23, 2014.
(個人的学術使用のみ可)1月23日(2014)。 New!

今後は具体的問題に応用していくつもりである。乞うご期待。

いやーー、気分爽快! なんて良い日和なんだ!

おまけ:
「総量」から「効率」へ

(前略)

その後、科学への興味は中途半端に萎えたまま、また無感動に過ごす日々が続き、本を買うことも少くなっていたのだが、年末に何気なく書店で手にとった以下の本が、久しぶりに琴線に触れた。

井口和基『ニコラ・テスラが本当に伝えたかった宇宙の超しくみ』
有言実行2:「最適制御過程における非平衡熱力学の理論:最大原理の物理学的理解」が完成!?_e0171614_010489.jpg
有言実行2:「最適制御過程における非平衡熱力学の理論:最大原理の物理学的理解」が完成!?_e0171614_0105034.jpg

タイトルといい、版元といい、学部レベルの科学の素養のある人なら、5メートル以内に近づかないような本だろうなぁと、思わざるをえない。しかし、井口先生は、しっかりとした研究歴のある物理学者だ。現在はどこにも所属せず、徳島で研究を続けていて、ブログはなかなか有名だが、これも普通の学者を遠ざけるに足る雰囲気に満ちている。

現在の井口先生の研究テーマは、生命の物理学的基礎で、そこに至る遍歴が興味深い。非平衡物理学を適切に評価しながらも、それを越えて進まれている。

生命を物理学的に見たときに、開放系という特徴があることは、周知のことだが、それを記述するために、物理学者はやはり伝統的な物理の手法から離れ難いものだ。しかし、井口先生は、エンジニアのアプローチに着目した。死んでいる物質の中で一番生命に近いものが、電気回路だと気づいたのだ。電流が絶えず流れる開放系であって、自動制御している存在。これが、コペルニクス的転回の端緒だった。

物理学者は、電磁気学を勉強しているから、回路なんか分かるだろうとも思うのだが、実際には、電気回路屋さんとは発想がかなり違うものだ。もっとも、『物理学汎論』の高橋秀俊先生なら、一挙に見渡せたのかもしれないが、こういった碩学はどこにでもいるものではない。

物理畑の井口先生は、エンジニアの視点で電気回路を徹底的に学び直し、電力(時間あたりのエネルギー供給)の重要性に気づく。エンジニアには当然過ぎて、その認識の重要性が汲み取れないかもしれない。物理学者は、総量としてのエネルギーで考えるが、それは孤立系を暗黙の前提あるいは出発点としている。開放系を対象とするなら、正面からパワーに着目すべきなのだ。

開放系にはエネルギー保存則はあまり意味がない。むしろ、それに代わるものとして、効率、すなわち、パワーがより重要になるのである。
ということである。なかなかここまで、手にしたものを潔く放擲できるものではない。しかし、「放てば手に満てり」なのだ。

物理学を普通に学んでしまうと気づきにくいが、そもそも、開放系を相手にしていたカルノーは、「保存則」という視点で考えていたのではなく、虚心坦懐に「効率」で見ていたのだという。そのカルノーの原点に立ち返り、開放系の物理学の背景を探ると、そこには、ポントリャーギンの「最大原理」とベルマンの「最適性の原理」があり、両者は数学的に等価で、前者は「ハミルトン原理」の拡張、後者は「最小作用の原理」の拡張になっているとのこと。なお、ポントリャーギンの最大原理に登場する保存量としての「ハミルトニアン」は、エネルギーではなく、その時間変化、すなわち、エネルギー効率(パワー)なのだそうだ。

開放系モデルの土台が現代制御理論というのは、意外だけれど、大きな流れとしては納得できる。その詳細をトレースする能力が今の私にはないが、孤立系のハミルトン-ヤコビに対応させて、ダイナミック・プログラミングに至る開放系の体系は、とても魅力的に思える。物理学と現代制御が見通せる人には、是非とも上巻p.260あたりを読んで頂きたい。

あまりにも癖の強い世界で、ほとんどの学者が素通りすることは分かっているが、ちゃんとした基礎のある人に、一人でもいいから読んでもらいたいと念願する。




有言実行2:「最適制御過程における非平衡熱力学の理論:最大原理の物理学的理解」が完成!?_e0171614_11282166.gif

  by kikidoblog | 2014-01-23 13:02 | アイデア・雑多

<< 「名球会」が生み出す名選手:世... 支那に「安重根」像建つ!?:い... >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE