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溝口憲治博士の「DNA工学」ついに完成!?:俺もちょこっと参加したんだが!?

DNA Engineering
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みなさん、こんにちは。

さて、今回は正真正銘の普通の科学世界のことをメモしておこう。いわゆる「アカデミックな世界」のことである。

何年か前から、私にDNAに関するレビューを書いてくれという話が海外からいくつか来るようになった。

しかしながら、私はめんどくさがり屋だから、たいていは同業者の友人に、「君、書いてくれないか?書いてくれ」といって仕事をサボっていたわけである。だから、大半は新潟の山田弘明博士に頼んでいたのであった。

ところが、日本物理学会で、一度DNA電気伝導論について講演した時、その時世話してくれた人がいた。それが都立大(現在の首都大学東京)の
溝口憲治博士
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であった。個人的に私が溝口博士に「ぜひDNAの電気伝導を精密測定して欲しい」とDNAの物理へ誘ったのだった。それで、一度学会で講演して欲しいと頼まれたのであった。

それ以来、溝口先生の研究室の一角には、それまでのノーベル賞学者白川英樹博士流のポルアセチレンを研究する大学院生以外に、鮭のDNAを使って鮭のDNA電気伝導の物理的研究を任されるようになった大学院生が現れるようになった。

あれから10年。

いつの間にか、いまや溝口憲治先生やそのお弟子さんは、DNA電導の実験研究の世界的リーダーとなってしまったのである。

そういうわけで、いつしかパン・スタンフォード出版社から、溝口先生に本を書いて欲しいという依頼が来たのであった。

先生はそれに快諾し、DNA本を作るなら、せっかくだからちょっと縁のあった私にも1章書いてくださいと、私にも非常に親切にチャンスをくれたのだった。

私はその頃はまだブラジルワールドカップに参戦する可能性もまったくなかったから、そのご好意に対して、いいですよと返事したのだった。

が、その後ヒカルランドからニコラ・テスラの本を書けという話が来て、それが機会でブラジル行きの夢の可能性が出てきた。

だから、ブラジルワールドカップへ行く前に集中してその義理を果たそうと努力したのであった。それがいざ完成した段階で、ブラジルへ行ったのだった。

帰国後、またそれに戻って、だいぶ経ってから、だいたい終了となったと思う。

そんな溝口憲治博士とお弟子さんたちの本がついにインターネット内に姿を表したので、一応ここにもメモしておこう。以下のものである。来年1月末出版予定であるらしい。
DNA Engineering: Properties and Applications
Kenji Mizoguchi, Hirokazu Sakamoto
Amazon: DNA Engineering: Properties and Applications
Jan 31 2016
by Kenji Mizoguchi (Author, Editor), Hirokazu Sakamoto (Author)
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Features

Covers elementary introduction to DNA and reviews old and recent findings of basic physical properties of DNA
Includes recent applications of DNA as a natural resource to optical, electrical, physiological, and medical functions, bioTFT memory, color-tunable light-emitting diodes, and biofuel cells
Presents comprehensive theoretical introduction to quantum physics and chemistry for basic electronic states of DNA
Summary

This book presents basic information about DNA, along with comprehensive theoretical introduction to DNA. It discusses recent developments in divalent-metal-ion inserted M-DNA complex, which gives rise to the possibility of DNA application to electronic functionality. Further, the book describes three examples of applications: optical and electrical materials, electronic devices such as bioTFT memory and color-tunable light-emitting diodes, and biofuel cell application with use of proton conduction in DNA.

Table of Contents
1. Introduction.
2. Basic physical properties of natural DNA.
3. Infrared spectral studies on structure and hydration state of dry DNA.
4. Proton conduction in DNA.
5. X-ray absorption spectroscopy.
6. Hückel calculation for the electronic states of DNA.
7. Basic property of M-DNA.
8. IR spectral studies on M-DNA.
9. Charge doping in Zn-DNA.
10. Structure of M-DNA with STM.
11. DNA as a material.
12. Application of DNA to electronic devices.
13. Fabrication and characteristics of DNA-biofuel cell.

私が書いたのは、6番目である。

電子スピン共鳴を使った精密測定は、白川英樹博士以来、我が国の物性物理学実験家たちの「お家芸」である。そのエキスパートが溝口憲治博士である。

いまでは、DNA二重らせんのA, G, C, Tの核酸結合の間にさまざまな金属をインターカレートして、まったく新しい物質素材まで作ることができる。

いまでは、DNAは細胞から取り出せば、ポリアセチレンのような物質素材なのである。

こういう最先端の科学技術に興味をもつ人はぜひご一読を。

まあ、俺のパートはそんなにたいしたことはね〜〜ナア。


溝口憲治博士と門下生たちに乾杯!

ご成功を祈ります。



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  by Kikidoblog | 2015-06-19 21:24 | アイデア・雑多

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