2011年 09月 23日 ( 3 )

 

「私をフォールドイットして!」:タンパク質折れ畳み問題3Dゲーム、ゲーマーが勝利!

みなさん、こんにちは。

いやー、ついに光より速い粒子も見つかってしまったようだが、これも面白い。「科学者よりも速いゲーマーの頭脳」というものである。

科学者より速いゲーマー!?
ゲーマー、科学の難問を3週間で解明

【ワシントン=山田哲朗】10年以上にわたり科学者を悩ませてきたたんぱく質の形を、オンラインゲームの参加者がわずか3週間で解き明かした。

 成果は専門誌の電子版で発表され、貢献したゲーム参加者2チームも論文に名前が載った。
 このオンラインゲームは「フォールドイット(たため)」と呼ばれ、米ワシントン大の研究者が2008年に開発した。複雑に折りたたまれたたんぱく質の立体構造をパズルのように探るソフトで、参加者はパソコン画面で、たんぱく質の素材となるアミノ酸の鎖をいじり回し、効率のいいたたみ方を競い合う。
 同大のデビッド・ベイカー教授らが猿のウイルスの酵素を出題したところ、世界中の参加チームが次々と改良を重ね、安定した三次元モデルを作りあげた。教授らは、このモデルを基に数日のうちに構造を確定した。(2011年9月23日18時37分 読売新聞)


この中に出て来る、フォールドイットというのはこれである。
Foldit
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これからソフトを入手できる。

タンパク質の折れたたみ問題のおもちゃのモデルは、私もかつて「ツクダオリジナル」から出ていた「ルービックのマジックスネークモデル」の数学を解明することにより、いくつか論文にしている。

このモデルは、まさに子供用のパズルであるが、最初は日本国内のみの販売だったが、最近では欧米でもかなり人気が出て来ているようである。このモデルの本質は、まさに「タンパク質の折れ畳み」と同じなのである。さらには天然のタンパク質の折れ畳み問題から考えるとあまりなじみのない概念も含まれていて、一時私はこのパズルに集中したものである。
Rubik's Magic Snake Model with Chirality S = 0
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Rubik's Magic Snake Model with Chirality S = 1
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この他に、「正四面体」と「正八面体」だけを使って折れ畳みを考えると、フラーのオクテットトラスの螺旋版が出来るのである。
Octet Truss Spirals
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これは、ライナス・ポーリング博士が提唱した「αヘリックス」の理想的モデルそのものなのである。「正四面体」–「正八面体」–……と繰り替えしていくか、「正四面体」–「正四面体」–「正八面体」–……と繰り替えしていくかで、上からみて四回対称の螺旋か、5回対称の螺旋かが決まるのである。現実のα螺旋では、これが3・8と5・1とかになっているというわけである。

さらには、「正四面体」と「正八面体」だけをつかって、DNAの2重らせんができるかどうかも一時やってみたことがあるが、要するに、こういうものを紙でたくさん作り、それをのりとテープでくっつけてDNAの糖鎖の部分や塩基の部分を作って貼付けて行くのであるが、なにやら「8回対称軸を持つDNA」が出来たのである。現実のものは10回対称だからすこし違うのだが、一時その見事な幾何学にほれぼれしたものである。しかし、学会講演かなにかでそのパーツが必要になって分解してしまったためにそれ以後二度と同じものをみることなく終わっているというわけである。

今回のニュースの「フォールドイット」はこういう実物模型ではなく、コンピュータ内の3Dゲームとしての模型である。だから、私が考えたものとはかなり違うが、私が実際に自分の手を使って考えたのと同じことをパソコン内でやったらしいというわけである。

もし興味のある人は、自分で「フォールドイット」をやってみることをお勧めする。何事も自分で実際にやってみることが大事である。そうやって行くうちに、その問題の科学的側面にも興味が出て来るだろう。そんな人には以下の解説もある。
The Science Behind Foldit
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学問は情熱だ! 発見は爆発だ!

というわけですナ。

いやはや、いずれにせよ、ゲーマー恐るべし! 今や本当の頭脳や天才は大学にはいないのかもしれませんナ。
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  by kikidoblog | 2011-09-23 20:00 | アイデア・雑多

光より速いニュートリノ登場!?:相対性理論の終焉か!?

みなさん、こんにちは。

いやー、このニュースは衝撃的で面白い。

先日、私は「「マックスウェル理論」を読んで見ると:無限の可能性がある!?」をメモしておいた。この最後のところで、もしマックスウェル方程式が非線形の場合には、光速度より早い粒子が存在しても特に問題はないと指摘していたが、今日これを証明してくれるようなニュースが飛び込んだ。以下のものである。
根底崩れた?相対論…光より速いニュートリノ

 名古屋大学は23日、ニュートリノと呼ばれる粒子が、光速よりも速く飛んでいるとの測定結果が得られたと発表した。

 物体の速度や運動について説明するアインシュタインの相対性理論では宇宙で最も速いのは光だとしているが、今回の結果はそれと矛盾している。測定結果が正しければ、現在の物理学を根本から変える可能性がある。

 光の速さは真空中で秒速約30万キロ・メートルで、今回の測定では、これよりも7・5キロ・メートル速い計算となった。この測定結果について研究チームは、現代物理学では説明がつかないとし、世界の研究者の意見を聞くため、発表に踏み切った。

 観測が行われたのは、名古屋大学などが参加する日欧国際共同研究「OPERA実験」。スイス・ジュネーブ郊外にある欧州合同原子核研究機関(CERN)から、730キロ・メートル離れたイタリア中部の研究所へとニュートリノを飛ばし、その飛行時間を精密に測定した。その結果、光速では2・4ミリ秒で届くところが、その時間よりも1億分の6秒速く到達した。光速より0・0025%速い速度だった。

 研究チームは過去3年間にわたって、ニュートリノの飛行速度を計15000回測定。観測ミスや統計誤差ではない確かな数値であることを確認した。

(2011年9月23日17時44分 読売新聞)


まあ、そういうわけで、「現代の物理学では説明がつかない」というのは間違いである。「現代の物理学の標準的理論では説明がつかない」とすべきである。

基本的には、電磁場も素粒子の基礎方程式は線形理論の範疇を出ていない。だから、それを非線形に拡張するというのが1つの方向だろう。そうすれば、波の振幅が弱い範囲では線形に戻るが、それが強ければ非線形効果で光速度を超える未知の粒子が出て来てもよろしいということになる。

あるいは、光速度は普通の波と同じく「何かの圧力と密度の比」で決まっているという可能性がある。

いずれにせよ、ニュートリノが光より早いとなれば、未来からニュートリノが現在に向って飛んで来るということもあり得る。そうなれば、未来予測が出来ることもあり得る。

いやはや、実に興味深い。今後を期待したい所だが、よくある話のように、御用学者からこの結果は実験のミスだとか、研究者が悪いとか、さまざまな誹謗中傷で結果を葬り去るというやり方もあり得る。こういう相手の出方をニュートリノで未来予測できれば、正真正銘の本物だろうということですナ。
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  by kikidoblog | 2011-09-23 18:24 | ミステリー

岡潔、この魅力的数学者:「プラスの日」は外で数学、「マイナスの日」は寝床で数学

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何か数学上の発見というふうなことを言うためには、一度行き詰まらなくてはなりません。どれくらい行き詰まってるかといったら、たいてい6、7年は行き詰まる。それは自由な精神が勝手に行き詰まってるんであって、そこに行き詰まってるべく強いられてるんじゃありません。だからこそ6、7年行き詰まってられる。
 その時は行き詰まりを感じるも何もない。全然やることがない。やりたいことは決まってるんだけど、そっち向きには何もやることがない。だからやるのは情意がやってるんであって、知は働き用がない。
––– 岡潔


みなさん、こんにちは。

今回は日本の数学界の鬼才、奇才、天才、風雲児、「岡潔博士」のことである。もちろん、岡潔博士の名前は、私も「多変数関数論」の物理学への応用に関していくつか論文を書いたので、かなり前から知っていた。

またユタ大物理の大学院生時代には、物理学部のすぐ隣が数学部であり、そこの図書館に通いつめ、数学のC. H. Clemens教授(今はどうやらオハイオ州立大学)
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の代数幾何の授業を受けたりして、「俺は物理の論文はユタでは読まない」と勝手に宣言して、数学の膨大な論文を読みふけっていたりしたので、岡潔博士や小平邦彦博士
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の名前などは知るようになったのである。もちろん、そこで広中平祐博士の「電話帳」やら、ジーゲルの教科書、ザリスキー、マンフォード、グロタンディーク、アンドレ・ヴェイユ、ジュリアの論文、フェリックス・クラインの古い論文、などなど、代数幾何、数論などの論文を集めては解らないがらも読みふけっていたものである。いわば数学図書館のゴキブリであった。だから今も私の部屋の2/3は数学の本で溢れている。その点物理はへぼい。

10年ほど前には、分数排他統計の理論にどうしても多変数解析学のある定理「ラグランジュの逆転定理」の多変数版が必要になり、名大(当時)青本和彦博士
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と面識を持ち、どうやればその多変数関数への拡張を証明できるかのヒントをもらい、何とかそれができることによって、見事物理学者がいう、統計力学の「分配関数」を散逸能(フューガシティー)を複素変数として見れば、多変数関数と見ることが出来るという論文を作ったのであった。

今岡潔博士が生きていれば、かなり興味を惹く内容だろうと思うが、残念ながら、この辺りをよく理解できる人間はあまりいないのが現状である。もちろん、すでに代数幾何や可積分系への応用はなされているのだが。あまり物理を理解できているものはいない。

そんなわけだから、私は岡潔博士は面識もなければ、論文も読んだことが一度もないのだが、小平邦彦博士の「多変数解析学」の教科書と青本和彦博士の口からほんのちょっとだけ岡潔博士の仕事に関しては知っていたのである。

さて、そんな岡潔博士だから、最近図書館からいくつか本を借りて、読み始めたのである。その中に「岡潔–数学の詩人」、高瀬正仁著というものがあり、これを読み始めたところである。

この中に、その昔の「数学セミナー」に岡潔博士のインタビュー記事が2つほどあると書かれていたのである。1つめは「数学に危機が来た」、2つ目は「数学の歴史を語る」であるという。

そこで、ひょっとしたらインターネット内にこれが読めるかもしれないといろいろ探していたのである。残念ながら、この2つの貴重なインタビュー記事は存在しないようである。しかしながら、探しているうちに、いくつか実に興味深いサイトを見つけたのである。今回はこれをメモしておこう。以下のものである。

岡 潔 の生涯と思想 =心の根底にある「情」の世界= 横山 賢二

これは、横山賢二氏が岡家に行って、岡潔の生前の資料を見せてもらい、その中にたくさんの未公開、未発表の文献やらテープやらの存在を知り、本格的に研究し始め、7年ほどかけてやっとすこし言っていることの一部が分かるようになってきたという話であるようである。

その中に、岡潔博士の見つけた「人間の精神構造」の西洋人と日本人の違いの図
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が実に興味深い。

他にこの講演には書かれていないが、たくさんの「岡潔博士の予言」なるものがあるらしい。その一つが

「アマテラスが2001年に生まれる。」

というものである。もしそうなら、今は10歳くらいの女の子ということだろう。

岡潔博士の奇行もよく知られているが、一流の数学者は本当に一流の芸術家とよく似ているのである。「芸術は爆発だ」の岡本太郎画伯
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もすごかったが、そういう極めつけの情念というか、情熱の持ち主が多い。さもなくば、数学などに取り組めるはずがない。そういう面で数学者は芸術家に非常に近い生物でなのである。

岡潔博士が、授業中に突然自分の没頭している研究の内容を書き出し、沈思黙考し始めると、生徒たちがざわざわしても全く気付かなかったとかいう姿があったようだが、「ゲーム理論」の創始者の1人のジョン・ナッシュ博士の映画「ビューティフルマインド



にもそういう場面があった。また、私がユタ大学で実際に聴講した、クレメンス博士の授業でも、クレメンス博士が授業中に突然不調になり、「今日は頭の調子が悪い。だから今日の授業はこれで止めだ」といって突然授業が終わってしまったということもあった。私が数学者は面白いなあと思ったのはこのときが最初である。そういう意味では、私は数学者のファンである。とうてい私にはなれっこない人種であるからである。

とまあ、そんなわけだから、岡潔博士が果たそうとして果たせなかった「多変数代数函数論」への夢というのは、実に良く理解できるのである。なぜなら、私が発見した「多種分数排他統計粒子の分配関数のクラスター展開」は、まさしく多変数函数そのものだったからである。
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  by kikidoblog | 2011-09-23 17:45 | 人物

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