グーグル火星の画像の謎:「Hellas(偉大なギリシャ)」
ここしばらくは、「NASAが惑星画像にいかなる隠蔽工作を行っているか」、というかなりマイナーな話題を取り上げてきた。NASAやESA(欧州のNASAのようなもの)の惑星画像、そして日本のかぐやの画像で一貫して同じような画像工作が行われている。したがって、我々の知らない「協定」のようなものがあるのだろう。
さて、そこで今回は、今やインターネットでだれでも見ることのできる「グーグル火星」の生映像からどのような情報が引き出されるか、まったく同じことをしてみよう。
まず最初の例として、Google Earthで「火星」を選択する。この火星映像を見れば、火星の南極以外になぜか「非常に明るく白く映っている部分」があるのに気づくだろう。ここを選んでみよう。以下のものである。
ここを徐々に拡大して行くと、「Hellas」と名のつく地形が見えるだろう。この「Hellas」とは英語では「ヘラス」と発音するが、元々はギリシャ語で「エラス」と発音する。その意味は「賢人」。ギリシャの賢人、そう哲学者やソフィストなどを「エラス、グリーク(賢いギリシャ人)」と呼んだ。今でもギリシャ人が「エラス」という時には、昔のギリシャ人の血を引く「偉大なギリシャ」の意味で使うのである。そんな地名を持つ地形である。
ここをさらに拡大して行くと、以下のようになる。
ここをさらに拡大した画像が以下のものである。
ここまで拡大すると真っ白でほとんど何も見えない。雪でも積もっているかのように感じるだろう。しかし、これも「解像度変化」、「白黒反転」、「明暗反転」、「色彩反転」の妙、というものである。
そこで、このテクニックを”逆に”使って、以前と同じようにして「適性な」色彩に変換してみよう。そうして得られたものが以下の画像である。
これを見ると、明らかにこの土地には「植物がびっしり生い茂っている」ように見えるだろう。この「臨場感」はすばらしい。最初のものは「真っ白」で何も見えないが(もちろん、「マスク」であるから、我々が白いマスクをしたら顔が見えなくなるのと同じ原理である)、変換すると、その中に何があるのか浮かび上がってくるのである(これももちろん、赤外線で見れば、マスクの下の地肌が見えてくるのと同じ原理である)。まったく同じ画像からただ変換するだけでこの映像が得られるのである。何も加工してはいない。驚く他はない。
この画像から何を感じるかは見た人個人個人の想像力である。まあ、いずれにせよ、今やだれでも自分のパソコンでできるから、独自に確かめることをお勧めする。きっと一種の衝撃を受けるだろう。
さらに、気づいたことがあるので、付け加えておこう。上の最後の画像では、「白黒反転」が基調となっている。しかし、「白黒反転」が基本になるべきか、あるいは「明暗調整」が基本になるべきかは、どちらがより明確な情報を与えてくれるかという観点で選ばなくてはならない。我々がその画像の作成者ではないために、どうやってその画像を作ったのか我々には分からないからである。
そこで、今度は、NASAが真の画像を「やたらと明るくして背景を消した」と仮定した場合にどうなるかを見てみよう。要するに「女優が照明をやたらと明るくすると、あばたやえくぼも飛んで見えなくなる」という方法である。この場合には、明度をぐっと下げて行くことで、真の画像に近づくのである。この場合には、「明暗反転」、「白黒反転」は使わない。以下がこの方法で変換して得た画像である。
これを見ると、上の最後の画像で陰の部分は、まるで雲のようになり、雲の隙間から地肌の地形が垣間見えてくるというような感じになる。たくさんの”つぶつぶ”のようなものが存在するのが明確になる。同時に、「謎の3本の直線」が地面に通っている何かトンネルのようなものであるということが分かる。それは空中には浮かんでいないようである。この部分は非常に興味深いが、これはまたとしよう。いずれにせよ、どちらが良いかはその都度得られる映像の鮮明度や情報量で判断しなくてはならないということである。
by Kikidoblog | 2009-11-18 12:43 | 火星