HAARPモニター群から地震電磁波の方角を読み取る方法?:ホイヘンスの原理
さて、今回は、私が最近思いついたアイデア、アラスカにあるHAARP磁力計(東大製)モニター群に関して、「これらのデータからいかにすれば地震電波のやってくる方角を知ることが出来るか?」ということについてメモしておこう。
この問題のヒントは、最近流行している「フェーズドアレイレーダー(Phased Array Radar、位相配列レーダー)」
である。
これは、波動現象における「ホイヘンスの原理」を使い、各アンテナに到達する波の位相を拾って行くことにより、来た波の方向を知るという原理を使ったアンテナである。
例えば、次の図1
では、一番左のアンテナ(黄色の丸)に波が一番最初に到達し、一番右のアンテナに一番最後に波が到達する。したがって、それぞれのアンテナが波の到達をモニターしたとすれば、そのそれぞれのモニターに写る波の位相が一番先に進んでいるのが、一番最初のアンテナであり、右に進むに従って、位相が遅れて行くことが分かる。
次の図2
の場合、それぞれのアンテナで位相のずれはほとんどないことになる。従って、この場合の波はほぼ水平に到達したことが分かる。
これを2次元面状にアンテナ群を設置し、それぞれの位相を調べることから波の方向を知るレーダーが「パッシブ(受信型)方式」、逆にこのように位相を制御して波を発信するものが「アクティブ(送信型)方式」と呼ぶらしい。
そこで、アラスカのHAARPモニター群の配置
をもう一度見直すと、巧妙なことにほぼ一直線に配置されていることが分かる。これをうまく使わない手はないだろう。つまり、アラスカのHAARPモニター群を図1の直線上に並んだアンテナ群
のようなものだと考えれば良いということである。
この見方で、今度はHAARPモニター群の提供しているデータを見直してみよう。
Fluxgate Magnetometer: chain array
すると、ここには、地震電磁波と思われる波の到達に対してそれぞれのモニターがその位相(と強度)を的確に記録しているのである。この「位相データ」から、上述したような解析をすれば、地震電磁波がどちらの方角からやってきたかが分かるのではないか、というのが今回の私の気づいたアイデアである。
問題は、波長λ、周波数νの電磁波はほぼ光の速さ(c)で伝播するということである(c=λνの公式に従う)。電磁波は1秒間に地球を7周半するほど速いから、地震電磁波は生じるとほぼ一瞬でアンテナに到達する。したがって、位相のずれをはたしてHAARPモニターからうまく読み取れるかどうか、ということである。もしこのデータから、位相のずれをうまく読み取ることが出来れば、おおよそどちらの方角から来たかということは分かるかもしれない。
はたしてこんなアイデアは可能だろうか?
by Kikidoblog | 2010-03-10 15:32 | HAARPモニター