インセプション:「自殺」を洗脳する映画の1つか?
この夏に久しぶりに奥さんと結婚記念日に「インセプション」(インセプション)
映画『インセプション』予告編
を観に行った。この映画は、最近のハリウッド映画の典型である。陰鬱で陰謀的で好戦的である。加えてかなり洗脳的である。
ここ最近、テレビニュースが初めて「母親の子殺し」を生々しく伝えると、それからしばらく経って連日のように日本全国のどこかで同じような「子殺し」が伝播する。そういうように、テレビしか観ない「B層」(この言葉は、「お馬鹿層」という意味で、小泉純一郎/竹中平蔵の定義である。電通社内での隠語が首相補佐官になった電通マンが政治家にはやらせた言葉であるという)は、ニュース映像や音声の洗脳を受けやすい。
これと同じような意味で、この映画も他のハリウッド映画同様に「何かを洗脳する」ためのものであるのだろう。
その何かとは何か?
これは、我々にはすぐには分からない。がしかし、「アバター」と同じように、「眠っている間にだれかの心の中に入り込む」という意味では同じカテゴリーの映画である。アバターでは、他の惑星に送られたアバターの中に入り込む。インセプションでは、ターゲット(標的となる人間)の心の中の潜在意識に入り込む。この意味では、どちらも「他人の心に入り、他人を操る」技術のテーマの映画ということである。そして今やそれが可能となっている。
おそらく、これはかねてからジョン・コールマン博士が「タビストック洗脳研究所」
で暴露した洗脳研究の話や、故ウィリアム・ミルトン・クーパー(このブログのクーパーを参照)の米軍のブラックプロジェクトの話とも一致していると言えるのである。
まあ、この意味では、それほど驚くほど新しい話がこの映画の中に出ていたというわけではない。強いて言えば、他人の潜在意識に入って洗脳を行う時に、自分が何かの薬を打たなくてはならないということだろう。
これは、1970年代のアメリカで、ヴェトナム戦争反対のヒッピーの時代、サイケデリックな出で立ちの若者がLSDやらマリファナやらを吸ってらりっていた時代、米軍では密かに「変革意識状態」の研究が行われた。私の記憶では、リリーという名の科学者が行った有名な実験がある。
これは、人間が入ることの出来るタンクの中に液体を入れ、その中に薬を打った人間が入る。そして液体の温度を体温と同じにすると、身体と外部の認識ができなくなり、その人間の精神は普段とは全く異なる世界へと飛ぶ。まずは体外離脱から始まり、地球を飛び出し、宇宙を飛び出し、最後に宇宙の神秘の世界へ到達する。これを映画にしたのが、有名な「アルタードステーツ」である。
このリリー博士の実験は、アメリカのインディアンやインディオが、キノコをつかって憑依状態になり、占うという一種の超能力儀式にヒントを得て、いったいインディアンのシャーマンは何を感じ何を見ているのかを探検する目的で始まったものであるという。
日本にもファンの多い、理論物理学者でノーベル賞学者の、かの故リチャード・ファインマン博士もリリー博士のところで実験に参加し、自ら人体実験したのは有名な話である。残念ながら、ファインマンは、体外離脱は精神が自分の身体のちょっとはずれた所に移った程度のものだったという。
私も若い頃最初にアルタードステーツを観たときは、「なるほどこんなSFもあるんだ」という程度のごく普通の認識であったが、その後、アメリカのブラックプロジェクトなどの存在を知るにつれ、米軍は一般社会では認知され得ないような危険な研究や怪しい研究も驚くほどの多額の研究費と人材をつけて丹念に研究しているということが分かり、ハリウッド映画のほぼ全部は、何がしかの事実を基に一部リークしたり、大きく脚色して変化させたり、状況設定だけ変えて作ったものであると理解するようになったのである。
それゆえ、「未知との遭遇」もそうだし、「アルタードステーツ」もそう。「天使と悪魔」もそう。基本的には「事実に基づくフィクション」であり、「SF(空想科学的フィクション)」ではないのである。もちろん、演じる役者や監督はそんなことは知らないから、お金や地位や名声のためにやっているのである。(もちろん、無知な大衆はそうは思わない。)
さて、インセプションの話に戻ると、この映画のストーリーは何か興味深い、示唆的なことがある。
ストーリーは、欧米の超巨大企業に買収されそうになっている日本人の会社の経営者が、その超巨大企業の社長に心変わりしてもらうために、なんとか工作する。その工作員がデカプリオである。心変わりして欲しい相手の経営者は、超大企業の御曹司、2代目である。おそらく、アメリカのロックフェラー一族、イギリスのロスチャイルド一族と日本の経営者を描いたもののように見えた。
言い換えれば、ロックフェラー/ロスチャイルドに乗っ取られそうな日本の社長がなんとか秘密の工作員を使って、その御曹司の心に入り込み、潜在意識を変化させ、その昔の平和的な世界の時代へ引き戻したいというストーリーである。
私が特に興味深く感じたのは、その超大企業の2代目と先代の間のやりとりである。超巨大な企業帝国を作った先代社長は、今や死につつある。寝たきりで体中にパイプが張り巡らされて、今やいつ死ぬかという状況にある。しかし、先代は自分の夢である世界制覇を生きているうちに実現したい。
一方、御曹司は若く新しい時代を生きている。強大な先代の前では力不足の観がある。それが自分のコンプレックスにもなっている。先代以上の業績をあげて、自分が帝国を引き継ぐに足る、正当な血筋の継承者と思われたい。しかしなかなかそれが出来ない。それゆえ、自分が父である先代からひどく嫌われないがしろにされて来たと思い、先代を認めさせるために、先代以上にあくどいビジネスを行う。そういう状況下で夢の中、潜在意識の奥深くで、御曹司が先代に会いに行く。そこで、先代と最後の会話をする。
この時の会話が私は非常に興味深かった。
死に行く先代が金庫に保管した遺言状を見せる。そこにはこうある。
「人の真似はするな」
これをみて、御曹司は
「僕は自分の道を進んで行く」
というようなことを言う。
この場面は、まさにデービッド・ロックフェラーからジェイ・ロックフェラーへの遺産相続の場面を彷彿させる。私が知る限り、ハリウッド映画でイルミナティーの跡目相続でこういう場面が出るのは初めてではないかと思う。つまり、言い換えれば、これは「おまえは、NWOに加担しなくても良いのだぞ」というメッセージなのではないか。もしこれが事実で、イルミナティーNWOのロックフェラーから、世界協調主義のロックフェラーに変わるということを意味でしているのであれば非常にありがたいことである。
映画ではともかく、はたして現実はどうか? これは今後を見て行く他ないだろう。
ところで、最初の話、この映画の洗脳の役割とは何かと言えば、おそらく現実世界と夢の世界(第1層)との区別が出来なくなると、「自殺」するというような話ではないかと思う。夢の世界の中の夢(第2層の潜在意識)から夢の世界へ戻る時も第2層の夢の世界の中では何かの衝撃を受けなくてはならない。さらに夢の中の夢の中の夢の世界(第3層の潜在意識)から抜け出るためには、もっと強い衝撃が必要になる。その世界で死ぬというような衝撃である。この部分に、それを誘発する音楽と映像がリンクされている。もしこの部分で洗脳を受ければ、その音楽を聞いたとたんに自殺願望が出て死んでしまう人が出て来るのかもしれない。
いずれにせよ、ハリウッドは邪悪な映画ばかり作りますナー。渡辺謙もすでに洗脳されているようだから、きっと自分はハリウッドの良い作品に出ていると思っているのだろうが、こんな作品ばかりに出ているようでは困る。いい加減、目を覚まして欲しいものですナ。
by Kikidoblog | 2010-09-03 16:01 | アイク