日本のCPUスパコン、中国のGPUスパコンに白旗?:日本の科学技術、中国に完敗か?:
ついでにもう一つメモしておこう。以下のものである。
中国製スパコンが世界最速2.507ペタFLOPS、NVIDIA製GPUを採用
「Tianhe-1A」の外観
米NVIDIAは米国時間2010年10月28日、中国人民解放軍国防科学技術大学(NUDT)がグラフィックスプロセッサ(GPU)の「NVIDIA Tesla」ベースのスーパーコンピュータ「Tianhe-1A」を開発し、LINPACKと呼ばれるベンチマークで2.507ペタFLOPSの演算性能を記録したと発表した。この記録は、2010年6月時点のスーパーコンピュータ世界ランキング「TOP500」に基づくと世界最高速となる。
Tianhe-1Aは、1万4336個のマルチコアプロセッサと7168個の「NVIDIA Tesla M2050」を搭載している。
仮にGPUを使わずに同等性能を実現しようとすると、必要なプロセッサ数は5万個以上となり、設置面積が倍増するという。また、プロセッサだけのシステムでは消費電力が12MW(メガワット)を超えるが、Tesla M2050と組み合わせることで4.04MWに抑えることができたとしている。
なお、Tianhe-1Aは中国の国立スーパーコンピュータセンターに導入済みで、すでに本格運用されている。[ITpro 2010年10月29日掲載]
(ちなみに、このNVIDIAはアメリカの会社。NVIDIAのGPUチップは今のパソコンには必ず1つ入っている。要するに、アメリカのハイテクを使って中国が世界最高のスーパースーパースパコンを作ったというお話である。この場合は、軍事技術の不当供与には当たらないのだろうか? 自国へ核ミサイルを発射しかねない国の最速スパコンのために自国のハイテクを売っているわけだから。あるいは、このGPUには細工がしてあって、あとでいかようにもアメリカからコントロールできるのだろうか? アメリカも実に不思議な国ですナ。)
実は、全く同じことを個人として実現していた人が日本にもいる。
日本の科学技術にも「政権交代」が必要!
で紹介した、長崎大学の浜田博士である。
●頭を使えば3800万円で世界一になれるという例
<スパコン>長崎大の浜田助教、3800万円で日本一の速度達成 安くても作れ、事業仕分けにも一石?
”浜田助教らは「スパコンは高額をかけて構築するのが主流。全く逆の発想で挑戦しよう」と、ゲーム機などに使われ、秋葉原の電気街でも売られている、コンピューターグラフィックス向け中央演算処理装置(GPU)を組み合わせたスパコン製作に挑戦した。
「何度もあきらめかけた」というが、3年かけてGPU380基を並列に作動させることに成功。メーカーからの購入分だけでは足りず、実際に秋葉原でGPUを調達した。開発費は約3800万円。一般的には10億~100億円ほどかかるというから、破格の安さだ。そしてこのスパコンで、毎秒158兆回の計算ができる「演算速度日本一」を達成した。
26日の記者会見で事業仕分けについて問われた浜田助教は「計算機資源は科学技術の生命線。スパコンをたくさん持っているかどうかは国力にもつながる」と指摘。一方「高額をかける現在のやり方がいいとは言えない。このスパコンなら、同じ金額で10~100倍の計算機資源を得られる」と胸を張った。”
(浜田博士には気の毒だが、上の中国のGPUスパコンとこの日本のGPUスパコンを見比べると、その昔アメリカの銀色に光り輝くジュラルミン製B29に竹槍で戦おうとした日本軍のようである。)
この2つの記事の意味する事は、言うまでもなく、日本では浜田博士が個人としてしかできなかったこと(だから自分の研究室で出来る範囲のたった3800万円の予算内でしかできなかった)を、中国では「国防科学技術の国家的事業」としてまったく同じ発想で大規模に行った、ということである。
要するに、これまでのような、CPU(中央演算素子)中心のスーパーコンピュータはだめだ、GPU(図形演算素子)中心のスーパーコンピュータの方が性能がいい、ということである。言い換えれば、「CPUの時代は終わり、GPUの時代に入った」ということである。これは歴史的転換点である。
さらには、いま一部のゲームオタクだけが使っている、「PPU(物理計算演算素子)」の時代がその次に来る。「PPU(物理計算演算素子)」を使うと、アニメキャラクターの柔らかな皮膚や色のつや、髪の毛の一本一本が風になびくさまなどがリアルに瞬時に計算できるのである。要するに、CPUスパコンからGPUスパコン、そしてPPUスパコンへと進んで行かねばならないということだろう。
いやー、中国人科学者の方が日本人科学者のお偉方たちよりよほど先を見る力があるということらしいですナ。
ついでに言っておくと、元来日本の天皇家の力とは、「先を見る力」だったという。つまり、「予言的能力」のことである。古来の天皇家には、遺伝的にこの種の特殊な才能があり、この力は代々受け継がれて来たが、ある時代からぷっつり途絶えたという話である。偽物になったのか、入れ替わったのか、成り済ましたのかは定かではないが、今の天皇家の人々にはこの才能は受け継がれてはいないようですナ。
by Kikidoblog | 2010-10-31 16:17 | 真の歴史