崩壊した原子炉内の放射性溶液におむつの粉を撒いたらどうなるか?:放射性廃液をゼリーにせよ!?
いやはや、原子炉内の状況は予断を許さない。悪くなる一方である。超能力者の「照」氏(その後、松原照子氏と分かった)の「世見」の時は、原子炉から出て来る「放射能」をどのように防御するか、飛散する放射性物質による内部被爆から身体をどのように防御するか、だけを中心に考えて来た。
しかし、今や状況は一変して来ている。はやく何とかしないと、「水蒸気爆発」を起こす。1号機が起こすと、今度は連鎖的に同じことが2号機から6号機でも起こり、まさに黒澤明の「赤富士」の状況になる。
そこで、原子炉内の「メルトダウン」をどのように防ぐかに集中しなくてはならない、ということである。
この問題をずっと一人で考えて来たのだが、この問題を解く鍵は、「臨界濃度」ということだろうと思う。
比喩とすれば、街のチンピラは一人ではなにもしないが、そいつらが集まり何十人となると、かなりの破壊行為を引きこすというようなものである。そのための人数の大きさがあるということである。
かつて東海村で臨界事故が起こった時も、核燃料を含んだ溶液をバケツ処理しているときに、ある濃度に達したとたんに臨界現象を起こし被爆したのである。
また、小出博士の説明によれば、底に溜まっている核物質は、水が冷えていると、徐々に集合して溜まり、熱を出すが、その熱で水が沸騰すると、粒子状の核物質が拡散されて離ればなれになり、熱を出さなくなる為に、また徐々に冷え始める。そしてある程度冷えると水の沸騰が治まり、また核物質が集合し始める。そしてまた同じことを繰り返す。そうこうしているうちに、その核物質の量がある量を超すと、臨界現象が始まり、メルトダウン(溶融)を引き起こす。
とまあ、こんな説明であった。
そもそも核燃料をペレットという細長い棒状の筒
に入れて並べておくというのも、核物質がある距離以内に近づかないようにするためである。近づけばお互いの放出する中性子線で連鎖反応が起こり、急激な核反応が起こってしまうから、それを調節するために、そうしているわけである。
要するに、核物質には「濃度」と「距離」に臨界点(境)があるということをこのことは示唆している。ある程度の濃度なら連鎖反応が起こらない。ある距離だけ離れていれば、連鎖反応が起こらない。こういうような限界があるということである。
ところが、水に溶かしてしまうと、水の中に徐々に溜まり、沸騰して溶けて、徐々にその濃度が濃くなるわけである。ところが、あるときにそれが析出し底に溜まれば、そこで一気にメルトダウンを起こすということである。ならば、それが出来ないようにすれば良いというわけである。
そこで、私が今日気付いたのは、物理学にある「ゾルゲル転移」という現象である。一番有名なのは、赤ん坊のおむつの中に仕込まれている膨潤物質である。水分を含むと非常に膨らむという物質である。
原子炉内の放射能物質で汚染された水の中にこの膨潤剤を入れたらどうなるだろうか?
簡単にイメージするには、原子炉内の放射能の液体をゼラチンのようなもので、寒天状に膨張させてしまうのである。
(コーヒーゼリー)
液体が寒天
や豆腐
のようにゲル状の固形物のようにするわけである。こうなると、水を放水しても形を崩すことは無いだろう。だから、放射性物質が海に流れ出すことはない。
問題は、放射性物質内の原子間距離である。これが非常に離れるほど中性子線があたりにくくなる。だから、単にゲル化するよりは、膨張してゲル化した方がいいということになるだろう。
膨潤し、なおかつゲル化するもの、そして比較的高温でもそれが出来るもの、こういった物質があれば、原子炉にそれを撒けば、あとは時間が解決してくれるということになるだろう。
おむつの粉を原子炉内にくべたらどうなるか?
ぜひ実験化学者に実際に実験してもらいたいものですナ。
いずれにせよ、私の考えるイメージとは、原子炉内の放射能物質溶液を豆腐かゼリーのようにしてしまえばいいということである。そうすれば、ゼラチンが放射性物質を包み込むペレットの代わりをしてくれるのではないか?というものである。原子炉内の放射性物質が、海水に流れ込まず、臨界に達せず、安定に保存するためには、廃棄液体をゲル化すればいいということだろうと思う。
もしこれで再臨界が防げるのであれば、絶対に空中に飛散することはなくなるわけだから、一挙両得、3得、4得になる可能性はあるだろう。もちろん、放射能吸収剤のホウ素や吸着物質のゼオライトなども可能性はあるだろう。
「原子炉内の溶融液体を膨潤ゲル化させる」
なんか、わくわくするナア。新たなる核物質の状態ができるような気がする。ぜひ日本の化学者にやってもらいたいものである。日本の技術なら十分対処できるのではないだろうか?
もちろん、むやみにゼリー化して一気に再臨界したのであれば、我々はお陀仏ということになる。だから、ちゃんと実験した上でやらなくてはならないのは言うまでもない。
by Kikidoblog | 2011-04-22 15:11 | 放射能防御除去