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「マックスウェル理論」を読んで見ると:無限の可能性がある!?

みなさん、こんにちは。

今回は、私個人のためのメモである。物理学の妄想話である。大半の人には分からないし、興味もないだろうから、適当にスルーして欲しい。

さて、この2ヶ月ほどかけて私はジェームズ・クラーク・マックスウェル博士

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1865年の論文翻訳していた。

この論文は、今現在(20世紀以降)「電磁気学」、「マックスウェル方程式」と呼ばれる物理理論の創始となった歴史的論文である。何事も「原典主義」が大事である。偉大なマックスウェル博士が当時まだ電気と磁気のさまざまな断片的知識しか集積されていなかった時代にどのようにしてそれを統合して行ったかを知りたいと思って勉強することにしたのである。そして読んでゆくうちに、これは高校生でも読めるはずだから、一応日本語に翻訳しておこうかという気になり、少しずつ翻訳していたというわけですナ。

この論文の面白いことは、この論文が世界史上初めて以下のいくつかの点を明確にしたということである。
(1)電磁運動量と電気変位の概念を導入。
(2)それらと電磁誘導の法則を合わせて、電気と磁気を統合し、電磁気学を完成させたこと。
(3)電気力、磁気力は波が伝達する近接作用であること。
(4)電磁場と光は同じものであること。
(5)電磁場の速度と光速度が同一であること。
(6)電磁場(光学も含めて)には縦波がなく、横波しかないこと。
(7)電磁場は電荷や磁荷の周りに蓄えられた空間の性質であること。エーテルの存在を仮定していた。
(8)重力も電磁場のように物体の周りの媒質に蓄えられたものから生じるという考えがうまく行かないこと。
(9)コンデンサーの理論を明確にしたこと。
(10)2つの平行コイルの電磁誘導係数の計算。

というわけで、この論文により、光は電磁場の一種であり、真空中の光速度が最高速であること、光も電磁場も横波しかないということが、この自然界の基礎事実として受け入れるようになったわけである。

この論文以降、ヘビサイドがマックスウェルのこの業績を数学的にもっと解り易く、ベクトル形式で表して、いわゆる「マックスウェル方程式」の形式に昇華していったわけである。これが今日我々が電磁気学と呼ぶ科学体系である。

さて、ここで私が問題にしたい問題とは何か?

というと、上の結果を導く時にマックスウェル及びその同時代人たちが「暗黙の前提」としている条件が存在するということである。私の知る限り、こういう問題点は電磁気学の教科書には露に書かれていない。

この前提条件とは何か?

それは、当時の磁気や電気の科学実験は非常にパワーが小さかったということである。ボルタ電池とか、コンデンサーとか、今でいう弱電のカテゴリーの範疇に属するような実験であったということである。空気中の実験(まあ、真空中は無理だったから)であったわけである。

したがって、マックスウェル方程式は、電磁擾乱としては、今我々が太陽表面で見るような、高温、高密度、高電流、強電磁場、高プラズマのような状態は最初から考慮していなかったということである。

それゆえ、拡張の方向性としては、非線形、高密度、高プラズマ、強電磁場などなどの方向があり得るだろうということである。

ところが、マックスウェル博士という人物は非常にしっかりした人であったようで、この人自身はしっかりと自分の結果がこういった場合には適用できないかもしれないと明記していたのである。

光の速度の2乗が誘電率と磁化率の積の逆数に一致するという事実は、電気の分布が非常に濃い状態ではどうなるか分からないと言っていたのである。当時は、今でいう高密度プラズマ状態は作ることができなかった。だから、こういう場合は想定外であった。しかしマックスウェル博士は、こういう状態を想像していたようで、「ガラス状の電気」とか、「松やに状の電気」などと表現したのである。こういう高密度プラズマ中では、光速度がどうなるのか分からない。同様に、電磁場の縦波の有無もどうなるか分からない、今の時点ではどちらとも言えないと書いているのである。

このことは、マックスウェル博士は、電気が非常に高密度、すなわち強電場であり、磁気力(磁力)も非常に強い、強磁場の状態の下では電磁場がどういう性質を持つかについては、正直分からないという主張だったのである。

そこで、私の推論をここで加えると、現代では、強電場、強磁場になると、電磁場の振幅が非常に大きくなるために、マックスウェルの線形の方程式よりは、非線形の方程式になることが分かっている。その場合、非線形波動の研究から、ソリトンが生じることが分かっている。

仮に、一番よく知られた例のサイン−ゴードン方程式のような非線形波動方程式のような形にマックスウェル方程式が拡張されるとしよう。この場合、この方程式の解であるソリトン解は、新しい波の伝播速度で伝わる。しかもソリトンの伝播速度は、対応する線形波動方程式の波の速度(真空中の光速度に相当)より早いものと遅いものの2つのカテゴリーが現われることがよく知られている。

しかも、それぞれにおいて普通の相対論の場合のような、ローレンツ変換が成り立つ。しかし、それぞれの場合の速度は、光速度より早い伝播速度は負のエネルギーのソリトン(タキオン)であり、光速度より遅い伝播速度は正のネルギーのソリトンであることが知られている。

それゆえ、もしマックスウェル方程式が非線形と拡張された場合には、真空中の光速度を超えた一種のタキオン状態の波動と光速度以下のソリトン状態の波動が現われたとしても何も問題はないということになる。

さて、問題は、非線形になった場合に波動に縦波成分が出てくるかどうかということである。マックスウェル博士の議論では、電磁擾乱に縦波があると、それはあったとしても減衰するから波としては存在し得ないというものであった。つまり不安定だからというものである。したがって、非線形の場合には、もしその縦波不安定を取り除くことが可能ならば、縦波が存在しても問題ないということになる。つまり、この場合には、いわゆる「スカラー波」が存在できることになる。

とまあ、こんな事情から、もしマックスウェル方程式が非線形で高密度、高プラズマ、強電磁場の条件に置かれた場合には、縦波のスカラー波、真空中の光速度より早い波動、そういったものが存在しても特に驚くことはないということは確かのようである。

そんなわけだから、もしフィラデルフィア実験のような、そういう例外的な電磁場実験を行った場合には、マックスウェル理論は正しくない可能性があるということであろう。すくなくとも、非線形の場合に拡張する必要がある。この時には、タキオン状態、ソリトン状態、スカラー波が現われたとしても特に問題はないわけだから、非常に変わった現象、例えば、反重力や時間変化などが生じたとしてもそれほど違和感はないということになるというわけですナ。

  by kikidoblog | 2011-09-21 12:04 | アイデア・雑多

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