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スペイン、ついに「無敵艦隊」となる!:「戦術的ピリオダイゼーション理論」の勝利!

みなさん、こんにちは。

ユーロ2012がやっと終わった。結果は、スペインが強豪イタリアを4-0の圧勝で退けた。イタリアは、後半はもう為す術がないという感じで、完全にお手上げ状態であった。

Spain vs Italy 4-0 All Goals and Highlights (UEFA EURO 2012 FINAL )



まるで、バルセロナが世界一になった、2011クラブW杯決勝戦バルセロナ4-0サントス戦の得点シーンを見ているようであった。

2011クラブW杯決勝戦バルセロナ4-0サントス得点シーン


私は録画で今回のユーロ2012の決勝を見たのだが、今回のユーロは、残念ながら、あまり盛り上がらなかった。なぜなら、NHKと電通CIAのコラボが炸裂したからである。予選リーグの時は、NHKも放映していたが、決勝トーナメントに入った途端、WOWOWしか放映しなくなったのである。おかげで、私は一番重要な部分をまったく観ることが出来なかった。だから、いつもはワールドカップやユーロ専門のブログを作るのだが、それができなかったというわけである。

日本の場合、サッカー放映権ビジネスもまた電通が取り仕切っているという話である。要するに、日本は北朝鮮や中国や韓国などのかなり独裁主義国家と似たような形態の国なのである。アラブの国々とも似ていると言えるだろう。(いい加減、電通を独占禁止法違反で逮捕してもらいたいものだ。)

そんなわけで、NHKがユーロ2012を放映しなくなった途端に、一般人はサッカーを見なくなったから、あまり熱気が伝わらなかったのである。だいたいWOWOWでサッカーを見るなんて言うのは、サッカー部員やら、サッカーオタクや、サッカー選手たちくらいのものである。ところが、決勝はどういうわけかMBSが放映した。これを私は見たわけである。

さて、今回のスペインは、文字通り「無敵艦隊」復活である。2008年のユーロ2008、2010年ワールドカップ・南アフリカ大会、そして今回のユーロ2012と2年おきに3連覇したからである。これは、永いサッカーの歴史上初めてなのである。おそらく、2014年のワールドカップブラジル大会でもスペインが連覇するかもしれない。それほどサッカーの円熟期と選手層の厚さを誇りつつあるのである。

スペインは、その歴史上「無敵艦隊」とずっと昔から呼ばれていたのである。しかし、その「無敵艦隊」を撃沈するための1つの象徴として他国からそう呼ばれたに過ぎない。その昔、英蘭がスペインの無敵艦隊を撃破したという歴史をもじってのものだろう。だから長らくスペインはワールドカップで優勝できなかった。

ところが、30年ほど前にスペインのサッカー界で密かなる革命が起こったのである。これが、現在のスペインサッカーの黄金期を導いたのである。これが、「戦術的ピリオダイゼーション理論」というものである。この理論を発案したのは、”サッカーはカオスであり、かつフラクタルである。”の言葉で有名なフラデ博士である。

「戦術的ピリオダイゼーション理論」

”サッカーはカオスであり、かつフラクタルである。”

–––ビトール・フラデ(Vitor Frade)博士

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「サッカーはカオスであり、かつフラクタルである。」:HSさん、こっちで失礼します。

残念ながら、日本のサッカーの指導者には、科学音痴だから、というより、未だに「スポーツは文系」と考えている民族だから、あまり理論物理学の重要概念である、「カオス」や「フラクタル」まで本当に理解しているものはいない。それゆえ、フラデ博士の「戦術的ピリオダイゼーション理論」を理解して指導している、Jリーグのクラブも学校もない。

しかしながら、これこそ現代のスペインサッカーの哲学的、理念的神髄なのである。だから、この考え方が分からない限り、本当にはスペインサッカーが今なぜ強いのか全く理解できないにちがいない。

こういう場合、つまり、この「戦術的ピリオダイゼーション理論」を理解しないで、スペインサッカーを論じる場合、多くの場合に誤解を生んでしまう結果に終わるのである。テレビに出て来る元Jリーガーや元サッカー選手タレントやらが生半可な知識で論じるものだから、まったく違ったことを言ってしまうということになるのである。まあ、だれとは言わないが、まったく的外れの解説者ばかりである。

まあ、解り易く言えば、
シャビがすごい、
イニエスタがすごい、
すばらしいスルーパスだ、
実にコンパクトなサッカーだ、
前線からの守備が効いている、
とかそういうレベルの話で終わってしまうということなのである。これらは、現象(=結果)であって、原因ではない。

なぜシャビがそこにいて、パスを出したのか、
なぜイニエスタが左サイドをドリブルするのか、
なぜフェルナンド・トーレスの横にマタが走り込んだのか、
こういう動きになる原因、そういう動きを生み出す根本を理解しない限り、そういう動きをするチームは生まれないのである。

今回の決勝のイタリアは、スペインを目指した。前回のスペインとの屈辱の敗北で、イタリア代表はこれまでのプライドをかなぐり捨て、いわゆる伝統の「カテナチオ」のサッカーからスペイン流のパスサッカーを目指したのである。まだ道半ばであったが、それが功を奏して決勝まで進んだのである。

しかし、この決勝を見れば分かるように、本家と分家ではまったくレベルが違ったのである。イタリアがスペインのパスサッカーを目指し始めて数ヶ月。それでも決勝まで登って来た。強豪ドイツも破った。しかしスペインには勝てなかった。

この理由が、「戦術的ピリオダイゼーション理論」の有無なのであると私は見る。

ここで、この「戦術的ピリオダイゼーション理論」の説明は長くなるのでしないが、これについてはすでに良い本があるようである。村松尚登氏の以下の本である。
バルサ流トレーニングメソッド
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これを見ると、道いまだ遠しである。日本の男子サッカーには、「戦術的ピリオダイゼーション理論」はまだまったく浸透していないからである。Jリーグのプロ選手に聞いたとしても、まだ何それという感じだろう。ましてや「カオス理論」や「フラクタル理論」など知りようはずがない。これでは、スペインに勝つことはできない。

今回、ロンドン・オリンピックの初戦で、日本はこのスペインと対戦する。それを見れば、おそらく、この「戦術的ピリオダイゼーション理論」を理解している国のサッカーとそうではない国のサッカーの違いが歴然とするはずである。

関塚監督も清武選手も含めて、このオリンピック代表のだれも(どころか、日本サッカー協会のお偉方も)「戦術的ピリオダイゼーション理論」の重要性を理解できてはいないからである。

  by Kikidoblog | 2012-07-02 23:06 | サッカー&スポーツ

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