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「温故知新」:天文学に潜む無視できない矛盾の数々!?

みなさん、こんにちは。

今回はごく普通の科学、天文学、理論天文学の話をメモしておこう。ちょっと前に
スーパーコンピューターを20万円で創る
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という本を買って読んでいたのだが、その研究室の雰囲気や20万円スパコンについては実に興味深く、学ぶことが多いのだが、私自身はいつもこの手の研究をみると、まっさきに「精神分裂研究だな」と思うのである。

そもそもその著者の研究者伊藤智義のボスだった杉本大一郎博士は、何を目指してスパコンを必要したかと言えば、「銀河系の形を数値シミュレーションしたい」からであった。

最近、それの拡張版が現れた。以下のニュースである。
暗黒物質2兆個で初期宇宙 スパコン「京」成功
2012.11.9 19:22 [数学]

 相互に働く重力で動く暗黒物質のシミュレーション画像(筑波大計算科学研究センター・石山智明研究員提供)
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 筑波大計算科学研究センターのグループは9日、スーパーコンピューター「京」を利用し、銀河形成に関わるとされる暗黒物質(ダークマター)粒子約2兆個が、初期の宇宙空間でどう動くかを見るシミュレーションに成功したと発表した。2兆個もの粒子を使ったシミュレーションは世界初という。
 グループの石山智明研究員によると、京の計算能力の約98%を使って実現。暗黒物質は宇宙を満たし銀河を生み出したとされるが、正体は明らかになっていない。シミュレーションでは、約2兆個の粒子が相互に働く重力によって集まり、構造物ができる過程を示した。重力による構造物の成長を見ることで暗黒物質の性質や宇宙誕生の解明につながるという。
 研究成果は米国のゴードン・ベル賞の最終選考に残っており、結果は11月中旬に発表される。

せっかくゴードン・ベル賞にノミネートされているところを悪いのだが、この手の学者というのは、実に奇妙な論理でことを運んでいるのである。今回はそれをメモしておこう。

(あ)まず最初の東大の杉本大一郎博士のところでも、そしておそらく下の「筑波計算科学研究センター」の研究でもそうだが、こういう研究で基にするのはニュートンの古典力学である。

ちなみに日本になぜこういった「計算科学センター」というスパコン研究所ができたかと言えば、私がユタ大を卒業し帰国後の1991年に私が富士通に入社し、そこに国内初の「計算科学部」(後の「計算科学研究部」)が出来て、私が国内のいろんな場所でこの部署の名前を売ったからである。これが衝撃を与えて、最初に理研、そして東大にできたのである。私が在職中はそんなものだったが、その後、京大、筑波大、東北大、神戸大などとそのブームが日本全国へと繋がっていったようである。

さて、そんなことはどうでも良いが、何が問題かというと、太陽系内の惑星の誕生のような巨視的な天体現象においてニュートンの古典力学を適用するのはまあ許せる。なぜならこの程度の距離であれば、光速度=秒速30万キロであるから、多少の時間の遅れが働いても無視できるからである。だから、無数の隕石集団が古典ニュートン力学に従って凝集する様をシミュレーションしても意味がある。

(い)ところが、もしこの発想を拡大して、太陽系の集団、つまり、恒星の無数の集団に対してこれを行うとなると、多くの問題や疑問が生じるのである。

まず、天体を観測する場合の距離の概念は光年(=光が1年で進む距離)である。だから、非常に時間が遅れるのである。この時間の遅れは無視できないほど大きい。したがって、さらに銀河団、さらに銀河団の集団などとなれば、もはや考えられないほどの時間の遅れの集合を扱わなければならない。

ところが、どうやら天文学者のみなさんは、あまりそういうことは深刻には受け止めない。「まあ第ゼロ近似ですから」「やってみる前にいわれも困ります」というような感じだろう。確かにやってみても結構だろう。

さて、ここで私が何を問題にしているか?

と言えば、それは我々物理学の世界にニュートンの時代から存在する謎が潜むからである。つまり「遠隔作用」(=どんな距離でも一瞬にして作用する力)と「近接作用」(=波のように伝播して作用する力)の問題が生じるからである。

ニュートンは万有引力を遠隔作用で作用する力だと考えた。力は霊力やテレパシーのようなもので一瞬にどこにでも到達する。ただし距離の2乗に反比例して弱まる。

ところが、アインシュタインはマックスウェル理論やマッハの思想から発して、このニュートンの遠隔作用を禁止した。この世界で光より速く動くものはないと考えた。

そこからさらに派生して、湯川朝永の時代、西洋ではファインマン、ダイソン、シュウィンガー時代に量子電気力学が完成し、力は”仮想的な”光を交換することによって起こると考えるようになった。そこで湯川は「核力は”仮想的な”中間子をキャッチボールして作用する」と拡張したわけである。

多くの人は(まあ物理学者でない人のことだが)この「仮想的(バーチャル)」という部分を忘れる。

はたして仮想的粒子、仮想的光子、仮想的中間子とは何か?
はたして仮想的粒子は光速度を超えてもいいのか? 遠隔作用するのか?

こんな感じの問題が出て来るわけだ。そこでニュートン理論とアインシュタイン理論を整合させる必要が出る。しかしながら、現実の天文学者はあまりこういうことを研究しないし、やりたがらないし、語りたがらないというわけである。

しかし天文学者が単純な古典ニュートン力学の逆2乗則にしたがって計算すると、実に見事に銀河系の形やら銀河団の形やらが出て来るのである。不思議なことに宇宙はアインシュタイン理論よりもっとニュートン理論に近い形で記述できるのである。アインシュタインの一般相対性理論はある範囲ではニュートンの法則を再現するからそれはそれで良いのだが、そうやるとアインシュタイン自身が主張した遠隔作用の否定に反してしまうことになるのである。

私はこういうことを知りたいのだが、あまり現実の天文学者は答えてくれない。

(う)私の知る限りこういう問題に真剣に取り組んだのが、ブルガリア人のマリノフ博士であった。マリノフ博士は「物体の絶対速度を測る」という難行に挑んだ。「光速度不変がどの程度正しいか」に挑戦した。

その結果は、マリノフ博士しかやっていないから分からないのだが、アインシュタインよりむしろニュートンの方が正しい。「この世界には絶対速度が存在する」、「ひょっとしたら絶対時間も存在する」ということを主張したのである。

(え)最初の日本人たちの研究を見れば分かるが、宇宙の初期を研究するにも、銀河系の構造を解明するにしても、常に運動しているはずのそれぞれの恒星なり銀河なり銀河の銀河団なりの集団が、系全体に共通する時間の下で時間発展する。さもなくば、コンピュータ内で計算できない。要するに、こういう研究では「暗に宇宙の絶対時間の存在」を仮定しているのである。

アインシュタインは言った。運動している物体はその速度に依存した固有時間で発展する。しかし、これを考慮しないにも関わらず、シミュレーション結果は我々の宇宙をある程度見事に再現するというわけである。実に奇妙である。

(お)ところが、19世紀にマックスウェルがマックスウェルの理論を作るずっと前に、まして20世紀初頭のアインシュタインの生まれるずっと前に、ニュートンとマックスウェル–アインシュタインの双方を見事に含むような理論を作り出したものがいた。それが電磁気学に「ウェーバー」という単位があるが、そこに名を残した、ウェーバーであった。

ウェーバーは、ニュートンのように遠隔作用と絶対時間を仮定したが、ニュートンの距離の2乗に反比例する力にさらに速度と加速度に依存するある因子を掛けた。

1 -(1/2) v^2/c^2 + r・a/c^2

である。つまり、ニュートンの万有引力の法則をこう書いた。

F = (G・m_1・m_2/r^2)(1 -(1/2) v^2/c^2 + r・a/c^2)

ただし、Gは万有引力定数、rは2粒子間の距離、vは2粒子間の相対速度、aは2粒子間の相対加速度である。ちなみにポテンシャルに直すとこうなる。

V = (G・m_1・m_2/r)(1 - (1/2) v^2/c^2)。

このウェーバーの力は、光速度を無限大にすれば、普通のニュートン力を再現する。

ウェーバーの時代、光速度はウェーバーとコールラウシュ自らによりほぼ秒速31万キロと発見された。だからウェーバーはニュートン力を上のように修正した。

ところが、これは結構複雑怪奇な式に見える。そこで当時ニュートンになじんだ学者連中から大きな反発を生んだ。中でも一番のものは、ヘルムホルツであり、ヘルムホルツはウェーバー力のように速度に依存する力はエネルギーを保存しないと証明したのである。その結果、理論物理学者として一世を風靡したヘルムホルツが否定したのだからということでウェーバー理論はあえなくギブアップしたのである。そこにマックスウェルが登場し、ウェーバー力を否定しながらマックスウェル理論を提唱したというわけである。

ところがマックスウェルがマックスウェル理論を提唱して後、ウェーバーが反撃にでる。ヘルムホルツはウェーバー力がエネルギー保存則を破るとしたが、それは相対加速度のない速度だけに依存する力の場合に限り、ウェーバーの特殊な力は見事にエネルギーを保存するのである。

しかし、歴史は忘れ去られ、現代に至り、いまだに天文学者といえどもウェバー理論なろものを知るものは稀である。

「古きを訪ねて新しきを知る」「温故知新」

いつの時代でも真実である。

注:
高校サッカー鳴門vs徳商をみるために、即興で急いで書いたためにちょっと不十分の部分があった。まあ、ちゃんと知りたい人は自分で調べるべきことだからどうでもいいことなのだが、ウェーバーは最初に上のウェーバー力を重力のニュートンの万有引力に対してではなく、クーロン力に対して拡張した。電気同士の反発力と引力に対してこのように書いた。

F = (e_1・e_2/r^2)(1 -(1/2) v^2/c^2 + r・a/c^2)
V = (e_1・e_2/r)(1 - (1/2) v^2/c^2)

ここで、e_1とe_2は2粒子の電荷。光速度cを無限大にとると、ウェーバー力は普通のクーロン力を導く。これを重力に拡張したのは、ブラジルのアシス(Assis)博士である。

いずれにせよ、もっとも大事なことは、絶対速度と絶対時間、遠隔作用と近接作用、光速度有限性の3つの問題である。

  by Kikidoblog | 2012-11-10 12:59 | アイデア・雑多

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