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サッカーの話:やはりサッカーは会場で見るべきものだ。特にアップを見よ!

みなさん、こんにちは。

さて、一昨日は、なでしこの皇后杯、INAC神戸vs浦和レディースの試合、昨日は、天皇杯準々決勝、ガンバ大阪vsセレッソ大阪、鹿島vs千葉、横浜マリノスvs名古屋グランパス、柏レイソルvs大宮アルティージャの4試合を見た。もちろんテレビでのことだが、なかなか面白い試合だった。

サッカーの大会というのは、準々決勝、だいたいベスト8くらいがもっとも面白いものなのである。

ここ徳島の高校生サッカーでも、このベスト8レベルになって初めてちょっとサッカーらしくなってくる。あとは、子供サッカーの延長のようなものである。まあ、良い指導者がいないのだからしょうがないのだが、もともと大塚製薬はオロナミンCで大きくなった企業だから、巨人と野球に頭が上がらないのである。サッカー支援はプロ野球への裏切り行為だとスポーツを知らない経営者たちはそう感じてしまうわけだナ。

しかしながら、そんなことはないのであって、サッカーと野球は相乗効果を生み出すことが可能なスポーツなのである。基本的にサッカーは冬のスポーツで、野球は夏のスポーツだからである。

寒い真冬にピッチャーが玉を投げれば、あっという間に肩を壊す。だから試合にならない。かじかんだ手でボールを投げることは出来ない。

逆にサッカーは真夏の炎天下の試合をすれば、脱水症状で死の危険すら感じることになる。実際、私(現役時代)も私の息子たちもそのチームメートも、他のどのチームもかならず、真夏の試合では不調をきたしたという経験を持つはずである。それほどまでに真夏の炎天下の試合や練習は身体に悪いのである。まあ、それでも文科省の高校総体もリーグ戦も普通に真夏に試合日程を組むから、みんな仕方なくやっているわけである。私の希望は、夏はナイターにすべきであると思う。

もちろん、野球でも真夏の試合は延々と続くが、甲子園大会がある以上避けて通れない。野球はその昔一種の軍事訓練として生まれたから、真夏にも耐えられるような人間でなければ、戦争に通用しないと考えたからだろう。

さて、そんなサッカーだが、サッカーの試合は出来れば会場でピッチを見るに限る。というのは、前にどこかにメモしたかもしれないが、サッカーの試合というのは、ウォーミングアップ(アップ)から始まっているからである。実際には集合の時から始まっているからである。(もちろん、プロの場合は大会が始まる前から始まっているが。)

だから、若い選手は出来る限り、会場に行って、その片隅からじっと各チームのアップを注意してみなくてはならないのである。

どのチームが先に現われるか?どの選手がうまいか?どの選手がリーダーか?ポジションはどうなっているか?チームのアップ法はどんなことをやっているか?連動して流れるようにアップしているか?声は出ているか?だらだら、ぺちゃくちゃしゃべりながらやっているか?軍隊のようか?素人のようか?監督コーチは何人いるか?ポジションごとのコーチがいるか?選手と監督コーチの雰囲気はどうか?

などなど、こういったことを一気に全体として把握するのである。これを一言、「ムード」というが、各チームのムードを見るのである。

一般に監督は相手チームのこういうところを見て、対戦相手のレベルを把握する。

簡単に言えば、強豪チームほど手がかからない。

リーダーがどなることもない。各選手がそれぞれにチームに連動し、流れるように、アップし始めるのである。かつてのジダンのフランス、ベッケンバウワーの西ドイツがそうだった。

そして、勝つ方の強いチームほどさっと先に現われるのである。

高校サッカーでも会場ではいわゆる場所取りが必要になる。狭いグランドのどこでアップするか、その場所を確保しなければならない。さもなくば敵にとられる。だから、強豪校はたいてい人数が弱小チームの2、3倍もいるにも関わらず、会場に来たらあっという間に着替えて、グランド全体を先に確保して、「悠然と練習し始める」のである。そうやって、相手に試合前から「おまえらなんかおよびではない。勝つのは俺たちだ」という無言のプレッシャーを与えて来るのである。

だから、弱小チームはいつももたもたし準備もおしゃべりしながらちんたらやっているから、ピッチに立つのも遅くなる。そうすると、「すいません、ちょっと練習させてもらってもいいですか?」と対戦チームにお願いしなければならなくなるわけである。そして「いいよ」といって、狭い片隅を開けてくれる。

これでは、勝負はやる前から分かっている、というわけである。

実は、テレビ放映は、サッカーのもっともサッカーらしいこういったことは全部カットされている。先日終わったFIFAワールドカップ(トヨタカップ)のようなビッグイベントの場合は、試合前インタビューとか、1,2時間前からレポーターがピッチ上にいる時に、偶然選手たちのアップ姿が入る程度にすぎないのである。

私はなぜサッカー番組はこのアップシーンを放映しないかいつも不思議でならないのだが、ここに全ての情報が詰まっているのである。

私が高校生の時、西ドイツのベッケンバーワーとミュラーのドイツがワールドカップで優勝した。歴史的天才ヨハン・クライフのオランダを破っての優勝だった。この時の西ドイツはいまのブンデスリーガと違って、バイエルン・ミュンヘン全盛期であった。代表選手の大半がバイエルンの選手であった。ベッケンバウワーもミュラーもヘーネスもGKゼップ・マイヤーもDFシュワルツエンベックもほとんどがバイエルン出身であった。

このチームが日本代表と試合しにやってきたのである。これを国立競技場にチームメートの2人と見に行ったのである。これだな。
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バイエルンメンバー
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対する日本代表
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皇帝ベッケンバウアーより

これを新宿駅で3人で野宿して徹夜して見に行ったのであった。

この試合のハーフタイムの時、サブの大半のメンバーと一人離れて、もくもくとアップする若い金髪の選手がいた。その時には日本人はその選手がだれだったのかだれも知らないまったく無名の選手であった。後半から出場したが、左サイドから同じような突破の繰り返しばかりする選手であった。

それから20年ほどして西ドイツ代表にいたルンメニゲという金髪の選手だったのではないかと思うようになった。が、やはりそうだった。上のメンバーにも入っている。(上のメンバー表をみると、当時19歳とある。若いはずだ。)このルンメニゲ選手こそ1980年代の欧州を代表する有名選手に育ったのだった。
ルンメニゲ:「なんとかなる相手だ」
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というわけで、こういったことは会場にいかなければ絶対に分からないことなのである。

  by KiKidoblog | 2012-12-24 12:37 | サッカー&スポーツ

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