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ジョゼ・モウリーニョ「サッカーを複雑系と見抜いた男!」:奥義は「複雑系理論」!

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みなさん、こんにちは。

2012 FIFA Club World Cup Japan FINAL

昨年の2012年クラブワールドカップ、チェルシー対コリンチャンスの試合。結果は1−0でブラジルのコリンチャンスが優勝した。
コリンチャンス優勝!:「1日1匹のライオンを殺さなくてはならない」


このチェルシーを強豪に復活させた監督が、モウリーニョ監督であった。2004年に就任し2008年に退任。それ以来チェルシーはイングランドのトップチームの一つに君臨している。そして、2012年のクラブワールドカップに出場したのであった。

その
ジョゼ・モウリーニョ監督
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は、2008年〜2009年にイタリアのインテルの監督になり、インテルをトップチームに変えた。イタリアのトップチームに返り咲いたそのインテルに長友佑都選手が入団できたというわけである。

モウリーニョ監督は、その後、レアルマドリードの監督になり、そして今年は再びチェルシーに舞い戻ったらしい。

前置きが大分長くなってしまったが、どうしてこのモウリーニョをここでメモしたかというと、実はこのモウリーニョ監督こそ、我々理論物理学者が
「複雑系理論」
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と呼ぶ、物理学のアイデアを最初に理解してスポーツに取り入れた監督だからである。

この前の南アW杯で初優勝したスペインサッカーは、バルセロナの選手が核になっている。が、そのバルセロナの育成システムの指導原理の中心的なアイデアは、フラデ博士が構築したものである。そのアイデアは、
「戦術的ピリオダイゼーション理論」

”サッカーはカオスであり、かつフラクタルである。”

–––ビトール・フラデ(Vitor Frade)博士

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「サッカーはカオスであり、かつフラクタルである。」:HSさん、こっちで失礼します。
スペイン、ついに「無敵艦隊」となる!:「戦術的ピリオダイゼーション理論」の勝利!

バルサ流トレーニングメソッド
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という思想であった。

これは人間が行うスポーツであるサッカーは、物理学でいうところの非線形現象なのだから、これまでのように線形に考えていたのでは誤る。つまり、いくらいい選手を11人集めてもそれだけではだめだ。チームを単なる11人の実力を合わせただけのチームで終わるのか、それ以上の力が出せるのかで結果が異なる。そういうスポーツなのである。

そのためには、システムは「フラクタル幾何学」を維持しなければならない。
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シェルピンスキーのギャスケット
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4-1-2-3システム
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(ギャスケットとの類似は明白。)

さらには、カオス理論の核心である「風が吹けば桶屋が儲かる」の原理を理解しなければならない。だから、試合前のちょっとしたなにげない出来事がその後の試合結果に大きく響くことがある。試合前の監督の叱咤激励や、サポーターファンやマスゴミの一言が、意外に選手に大きな変化をもたらすことがある。突然緊張して全然ダメだったということが生じるのである。だから、普段通り、いつもどおりのルーティンワークが大事なんだということになったわけである。

野球のイチロー選手がいつも打席の前に同じことを儀式的に行う理由もこれである。試合前のルーティンもこのことが理由になっているわけである。

ところが、このモウリーニョ監督はすでにフラデ博士の「カオス理論」や「フラクタル理論」の先を行っていたというのである。それが、「複雑系理論」であった。つまり、モウリーニョ監督の思想の根本には
サッカーは複雑系である。
という思想があったのである。

最近、私のテスラ本が阿南の書店にはないかと探しに行ったが、拙著は一冊もなかったのだが、ふと目の先にこのモウリーニョ監督に関する本を見つけたのであった。そして、これを最近まで徐々に読んでいたのである。これである。
モウリーニョのリーダー論
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モウリーニョ監督は
サッカーに心理学を持ち込んだ男
とも評されている。

無名のチームを世界最強チームに変える天才的サッカー監督になった。その根本には選手の心理状態を見極めた緻密な采配がある。だから、モウリーニョは心理学の大家なのだと評されたのである。日本の野球で言えば、「再生工場」と呼ばれた野村克也監督に近いかもしれない。

いろんなモティベーションを人参にして、選手にやる気を起こさせる。そういう心理的な駆け引きややりとりが旨い。それをすべて選手が成長し、チームが成熟するために利用していく。この典型例が一番上のアディダスのCMである。

地方のどこにもある田舎チーム、無名選手たちに新品のサッカーグッズをプレゼントして、やる気を起こさせる。ゴールにボール当てをさせながら、一番下手くそな選手のプレーがチーム全体の昼めしを左右する。そうやってチームに一体感を作っていく。バルセロナの試合会場に行く先々で、メッシなどの有名選手に出会い、そこでそれぞれに影響を受ける。いつしか試合会場に到着する頃には、自分たちは特別なんだという自信にみなぎる。そして、これまでは勝てもしなかった都会の強豪チームに善戦していく。そしていつしかこの経験が自分たち自身を大きく成長させる。一度得た自信は永遠のものになる。こうして選手たちは大きく人間的に成長する。もはや前の自分ではなくなるのである。

モウリーニョ監督の口から「複雑系理論」ということばは一切出てこないが、こういうことが「複雑系」というものの本質なのである。

モウリーニョ監督は行く先々のサッカーチームで、それが有名であろうが、無名であろうが、何であろうが、勝利するためには、そういうやり方が大事なんだと選手に理解させていく。

「正義の話をしよう」のマイケル・サンデル教授が、ジョン・ナッシュ博士の「囚人のジレンマ」理論の実践者だとすれば、そしてそれを授業やショーやマインドコントロールに利用した人物だとすれば、このモウリーニョ監督こそ、心理学の手法を見事に使って、「複雑系理論」の真髄をサッカーに応用している実践者といえるだろう。

いや〜〜、実に興味深い話であった。


それと比べたら、ザッケローニ監督はまだまだ。ちょっと時代遅れの感ありですナ。

おまけ:
ちなみに、この本の最後の訳者あとがきによれば、このモウリーニョ監督はFCバルセロナで監督補佐(アシスタントコーチ)をやっていたという。やはり、モウリーニョの根底にはバルサのフラデ理論「ピリオダイゼーション理論」が土台として刻み込まれているのである。何事も「無から有は生まれない」のである。そろそろ日本のJリーグもサッカー選手を欧米のプロチームに送り込むだけではなく、将来の監督候補も欧米トップチームのアシスタントコーチに送り込むべきである。俺はそう思うヨ。



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  by kikidoblog | 2013-12-17 17:42 | サッカー&スポーツ

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