氷上のF1、ボブスレージャパンを応援しよう!:もっとも宇宙飛行に近いスポーツ!
前回のバンクーバーオリンピックの時、
読売新聞社に
「超人の科学」という記事が出たのを覚えている人は覚えているだろう。実は、この特集記事の編集長は、拙著の
物理お宅博士のスポーツ観戦記 ソルトレイク・オリンピック2002を読んで、わざわざ我が家まで来訪し、我が家の部屋で談笑して誕生した企画だったのである。
それもそのはず、現役の理論物理学者、いや正真正銘の博士号を持つ科学者の中で、本物のボブスレーに乗ったのはこの私しかいないからである。
4人乗りボブ。最後尾が俺。もっとも危険。
パイロットは今回出場の鈴木寛選手。
そして、長野のオリンピックコースを滑走したのである。パイロットは今回も日本代表のパイロットを務める鈴木選手。日本の正真正銘の強者。私は大好きなタイプの日本男児である。私と違って何があっても笑っている。何か昔のゼロ戦乗りを思い起こさせてくれるのである。神風特攻隊の若者はきっとこんな感じだったんだろうなあってナ。
さて、そのときには、日本初の科学計測も行った。
後ろの選手がパソコンを背負い、それに連結した計測器をボブスレーの車体内部に設置。それでボブスレーがどのような3次元軌道を描いてすべるか、そしてその時々のG(重力)のかかる方向と大きさはどんなものかを初めて計測したのである。ボブスレーの重心計測、人が乗った時の重心の移動や、さまざまなデータを集めたのもその時が最初であった。こうやって、バンクーバーに挑戦したのだった。
ちなみに、私も2人乗りのボブ内部にもその夏に前もって乗っている。
これは実際にソルトレイクに挑戦したボブである。
さて、前置きが大分長くなってしまった。が、今回はボブスレーという競技の「見えない部分」をメモしておこう。
実は私が思うに、ボブスレーほど日本人の気性にあったスポーツはないのである。ひたむきさ、努力、緻密さ、準備、体力、気力、そのどれがかけても出来ないスポーツなのである。
(あ)まず、ボブスレーは実に重い。
だいたい200〜300kgはある。それをコースに毎回運びこむ。そのためには、ゴールのある山の麓からスタート地点のある山の天辺までトラックでボブスレーを運ばなければならないのである。その時に、毎回地上からトラックにボブスレーを積み込む。今度はそれをトラックから会場に下ろす。今度はそれを出発地点に運ばなければならない。これを一回の滑走ごとに行うのである。それを練習では日に何回も行わなければならない。もちろん、オリンピック会場でも同じである。
(い)ウォーミングアップは陸上と同じ。
実際の滑走に入るには、選手は今度はアスリートとして、アップしなければならない。これはまったく陸上の短距離の選手と同じである。
柔軟体操。ストレッチ。そして、ジョグ。そしてダッシュ。こういう一連のアップを行う。
(う)パイロットは宇宙飛行士と同じ。
さらにパイロットは宇宙飛行士と同じで、3次元の空中軌道を全部コースの最初から終わりまでの体感を頭にシミュレーションして覚えこまさなければならない。だからボブスレーの滑走前には、パイロットは一種独特の夢遊病者のような奇妙な動きをしているのを目撃できるはずである。コースのどこではどういうふうにハンドルを操作するかを身体に叩き込んでいるのである。
(え)本番はまさに氷上のF1.
大会の競技の本番はまさに「宇宙戦士ガンダム」である。あるいは、キャプテンハーロック。
(お)競技が終われば、技術者に変身。
競技が終わって無事積み込みが完了し、自分たちの基地に戻れば、今度はそこでボブスレーのメンテナンスしなければならない。この時は、技術者に変わる。ソリのランナーの金属部を磨いて、次回の滑走の準備をしなければならない。
(必死で磨く選手たち。だが、みんな明るい。)
(か)夏季合宿はまさにアメフトやラグビーの選手。
そしてオフシーズンの夏には陸上短距離の練習と、アメフトやラグビー並みのプッシュ練習を行うわけである。最近はNHKBSでも放送があったから少しはこの辺は知れ渡ったのではなかろうか?
どうだ。少しはボブスレーというスポーツ「氷上のF1」の意味がわかっただろうか?
科学技術と頭脳と体力のスポーツ。最も近代的スポーツがボブスレーなのである。
私の個人的見解では、自衛隊に最も適したスポーツである。どうだろう?陸自、空自はボブスレーチームを作ってみては?実際にイギリスには英空軍チームも存在する。
まあ、そういうわけで、みんなでボブスレージャパン
を応援しよう!
頑張れ日本!
鈴木さん頑張れ! 幸運を祈る!

by kikidoblog | 2014-02-12 18:45 | サッカー&スポーツ