ソチ五輪メダル獲得も「パレートの法則」通り?:パレートの法則は「気休めの法則」
パレートの法則
全体の2割程度の高額所得者が社会全体の所得の約8割を占めるという法則
80:20の法則:20%の労力をかけたものが80%の成果を生むという法則
2:8の法則:組織のなかの2割が重要で、残り8割はその他大勢であるという法則
みなさん、こんにちは。
経済学には「パレートの法則」というものがある。これは、イルミナティーの話によく出てくるように、「社会上層部のほんの1〜2割が社会全体の富の8割〜9割を所有している」というような法則のことである。この法則は、社会のいろいろの場所でよく成り立つものである。
たとえば、「社会のほんの1〜2割の男性が社会全体の女性の8割〜9割とセックスしている」とか、つまり、大半の男は生涯童貞で終わるが、ごく一部は毎日数人の女性とセックス三昧というやつがいる。そして、そういう奴がキャリアー(保菌者=自分は病原耐性があるから病気にならないが、相手を病死させるバイキンマン)となって社会を恐怖のどん底に突き落とす。
「アメリカの富裕層の1%がアメリカの総所得の99%を所有する」とか、「世界の不動産の99%を偽ユダヤ人系のロスチャイルド家が所有する」とか、そういうような言い方がされるのである。
さて、今回のロシアのソチ・オリンピックがやっと終わり、その結果としての「メダル獲得ランキング」が出ていた。これを見ると、なんとまさにパレートの法則どおりだったから驚くばかりである。そこで、今回はこれをメモしておこう。統計グラフは私がオープンオフィスで作ったオリジナルのものである。だから商用目的等で新聞社や会社などが勝手に貼り付けると、ご法度になるので要注意。
Medals(ソチ五輪メダル獲得ランキング)
ここまではいろんなところで引用されているものである。
これをOpenOffice(フリーのExelの代用品)を使って、その中に上のデータを入力し、グラフ化すると、こんな感じであった。
ソチ五輪メダル獲得ランキングのグラフ
ここに掲載された国数は90。
メダル獲得した国は、最高位のロシアからカザフスタンまでの26カ国。それ以下はゼロ。
総メダル数は295。
20位までの総獲得数は277。277/295=0.9389。
20/26=0.76。
これを見てもあきらかにほぼ90ほどの参加国のうち、上位20カ国が全メダルの9割強を獲得していることがわかるだろう。つまり、「上位20カ国がメダル全体の9割を獲得した」のである。
ここまでがパレートの法則の普通の解説にあることである。言い換えれば、「2対8の法則」という場合に念頭に置くのは、一部の2割と全体との対比として考えているということである。しかしながら、これはパレートの法則のまだ半分しか理解していないことになる。
おもしろいことは、一見「パレートの法則」とは、全体と部分との間だけの8対2の法則だと見えるが、そうではなく、どの部分を見てもそういうふうになっているということがそもそものその法則の本質なのである。
どういうことかというと、今度は全体ではなく、そのメダル獲得した国だけ、今回の場合はメダル獲得した26カ国の中で、その統計を考えると、全体の26カ国がメダル295を獲得したわけだが、そのうちの上位2割=5カ国が、全体の約半分の136を得ているのである。上位3割の上位8カ国なら172、全体の6割を獲得しているのである。また、上位8割=全体の2割ならほぼ全体の9割を獲得したのである。
これが「べき法則」という意味である。ニュートンの万有引力やクーロンの法則の「逆自乗法則」のように、ランクが下がれば下がるほど獲得数が減るのである。
したがって、この解釈で一般の会社に例えれば、「会社の社員のよく働く2割が会社全体の8割の生産に寄与する」、「生産に寄与した社員の上位2割が生産に寄与した社員の全体の8割を生産する」というような感じになるわけである。
さて、この「パレートの法則」は、私は大学生だった30年以上前にある本から学んだものである。どの本だったか忘れてしまったが、いまでも覚えているフレーズがある。というか、以後私の鉄則の一つになったものである。実はある意味「パレートの法則」は「気休めの法則」でもあるからである。
そのフレーズとは?
人は自分が実現したいと思うことの20%しか実現できない。しかしながら、それはその人が本当にできることの80%を実現したことになる。
この意味するのは、人が計画書を立てると本当に自分ができることを棚に上げてたくさん計画に書き込む傾向がある。だから実際にやってみると当初の計画の2割弱しか実現できず、落胆する。しかし、実際にはそれはその人が本当にできることのほぼ8割は達成できたのだと見るべきだという意味である。
それゆえ、私はそれ以後「パレートの法則は気休めの法則」として考えるようになったというわけである。
まあ、そういうわけで、ソチ・オリンピックの日本選手団は当初はもっともっと多くのメダル獲得を期待しただろうが、実際に得られた8個が実は本当に達成できたはずの8割を得たと考えればよろしいのである。せいぜいメダル10が良いところだったわけであるというわけですナ。
まあ、これで満足して十分ということになる。

by kikidoblog | 2014-02-25 10:47 | サッカー&スポーツ