フェリックス・クライン博士の言葉:「孤立者は、あらゆる方向に十分枝を延ばす」
さて、先日メモしたもの
個人メモ:私と保江博士との「裏腹」なところ→人にも双対性はあったのか!?の中に「フェリックス・クラインの言葉」というものをメモしていたが、これは後々のために、そこだけもう一度抜き出して、ここにメモしておこう。以下のものである。
フェリックス・クライン
「…われわれ大学人は同僚との激しい競争の中で成長するが、それは森の中の木のようなもので、およそ生存しうるためには細いままで上に延びていくほかない;
これに反してグラスマンのように孤立している人は、あらゆる方向に十分枝を延ばすことができ、人格も研究も調和的に発展させ完成させるのである。… 」
この言葉は、フェリックス・クライン「19世紀の数学」(共立出版社、1995年)
「19世紀の数学」の177ページにある。
(「昔は良かった」:「19世紀の物理学への回帰」の必要がある!?より)
孤立したものが生き残る確率は非常に低く、群生したものが生き残る確率は非常に高い。しかしながら、まれに生き残った孤立したものは非常に大きく成長するが、良く生き残る群生はその成長には限りがある。このことは人間社会にも当てはまる。そういうことである。
これに加えて、もしその住処が広ければ広いほど、その傾向が顕著に増幅される。だから、孤島より大きな島、大きな島国より大陸。生物の住む場所が大きいほど、孤立したものはますます大きく育ち、群生したものもますます大きく育つ。これを生物学では「島の規則」という。
また、大きな生物ほどより遅れて出現する。これは大器晩成の生物版である。これを「コープの法則」という。
大器が育成されるには進化においても個人においても時間がかかり、後になって出てくる。その大きさは住む場所の広さに比例している。
クライン博士の言葉は、まさにこうした生物現象の肝を見事に予見していたといえるだろう。
おまけ:
実は、この人が、有名な「クラインの壺」のクライン博士である。

by Kikidoblog | 2015-01-16 09:25 | 人物