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マイケル・ファラデーの伝説ここに始まる!?:バルサン焚く中で読んだ謎の風景

マイケル・ファラデー
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"哲学者は、あらゆる示唆に耳を傾けるが、自分自身のために判断することを心に決めた人であるべきだ。見かけに偏見を持つべきでも、好みの仮説を持つべきでも、学派に属するべきでも、そして教義において師を持つべきでもない。"


みなさん、こんにちは。

昨日は、日本国内や世界における「獅子身中の虫」についてメモしたが、この5月6月になると、雨季のために、そして一旦夏日が続くために、我が家の中の獅子身中の虫であるダニもまた大変活発化してくる。だから、最近ダニに食われて困っていたわけだ。そこで、急遽昨年買ってそのままに残っていたバルサンを焚いてダニ退治をすることに決めた。

その前に、この世界中のダニの習性をここにメモしてから、バルサンでダニ退治している間、天気もいいから、この辺りの海の中林海岸で勉強することにしたのである。

そこに持って行く本は、最近やっとアマゾンで手に入れた保江邦夫博士の数理物理学方法序説の
確率論
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解析力学
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それと、これまたごく最近になって、ある知人から教えていただいた、金沢工業大学の
夏目賢一博士
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博士論文
ファラデーの電磁気学研究における力・力能・粒子
(この博士論文は実に素晴らしいので、著者の夏目先生にはぜひ書籍にして出版されることをお勧めしたい。若者たちはこういう本で勉強しなくてはいけない。)

2012年度(第7回)日本科学史学会賞の受賞者の写真
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(右から二人目)
を携えて海に行ったのである。

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(向こうの立て看板には「想い出とゴミはお持ち帰りください」と書いてある。)


さて、ここでバルサン炊きあがる前数時間過ごす。だから、時間は十二分。保江博士の本も、夏目博士の論文も、そして、我々の「あの世の本」
物理で語り尽くすUFO・あの世・神様の世界 アインシュタイン、マックスウェル、ディラック、シュレーディンガーさえも超えて 単行本 – 2015/5/13
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も全部読むことが出来た。

しかしながら、そうは言っても確率論の大家でおられる保江博士の「確率論」の教科書は、やはりいつ読んでも難しい。最初ほど理解し難い。どの本、どの論文でも、この確率の現代流のやり方、すなわち、伊藤清流のやり方に始まる確率論の定式化ほどわかりにくいものはない。

というのも、我々熱力学統計力学出身の、いわゆる日本の戦後の大家であった久保亮五博士流の確率論に馴染みきっている我々物性物理学者は、経験的な無限回試行を基本に取るアンサンブル思想に毒されてしまっているからである。

そこで、保江博士は言う。
「そういう試行流儀の時代遅れな確率論に毒された頭をハンマーで叩き割ってやる」
と。そうやって書かれたものが、保江博士の「確率論」なのである。最初から、ブール代数論とヒルベルト空間論で始まる確率論など我々昔の大学院生は見たことがなかったからである。たいていは、見本を取るアンサンブル平均から始まるものであった。

これと俺はずっと戦っているわけである。

それと比べると、解析力学はまだ取っ付き易い。しかし、基本はポアンカレに始まる天体力学にあり、最後が「ポアンカレの再帰定理の証明」で終わる。そこでは、「ボルツマンのH定理」への挑戦状が叩きつけられている。

そして、そのボルツマンのH定理への導入がその難解なる「確率論」なのである。

理論物理では、およそ「ポアンカレの再帰定理」と「ボルツマンのH定理」の単語が出てきたら、勉強せずにはいられない。無視できない。そういうものなのだ。

実は、私は、保江博士の数理物理学方法序説の全8巻の各章末課題を全部解こうと密かに考えているのである。そして、それをいつの日か保江邦夫博士に送りつける。

なぜなら、保江先生は、
「僕の章末課題を全部解いたものだけを弟子にする」
とおっしゃっていたからだ。自分の弟子になりたければ、理論ミニマムの全問題を解いてこいといった、かのランダウ先生の真似をしたのだという。だから、章末課題を全部解いて、いつの日か、保江博士の物理のお弟子さんにしてもらおうと密かに狙っているわけですナ。

さて、一方の、夏目博士のドクター論文。これまた実に面白い。この方は、マックスウェルではなく、そのマックスウェルの基になった、革命児のマイケル・ファラデー先生の思想を追いかけた。ファラデーはどうやってあの力線や場の概念にまで辿り着いたのか?と。実に素晴らしい。それは俺も知りたい。

というわけで、少しずつこれも読み始めたわけである。

そうやってマイケル・ファラデーが自分自身の研究の終わりになって、自分を振り返って出てきた言葉が、冒頭の言葉だったようである。これは、他の後世の科学者の指導原理となっていった。

ところが、この論文を読んでみてもっと面白いのは、マイケル・ファラデーこそ、重力と電磁力との間には何か未知の関係があるのではないかと地道に実験していたということである。

ファラデーは、実は、論文として公表した研究以外に、自分自身の「研究ノート」を取っていた。これは、今では中村俊輔選手の「サッカーノート」のようなもので、あるいは、私自身のためのこのブログのようなもので、あくまで自分自身のためのものである。

その中に、次のように書かれた文章があったという。

1849年3月19日、ファラデーは重力と電気の力の関係を調べる中で次のように研究日誌に書き留めている。
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まったくこれは夢である。さらにいくつかの実験で調べよう。自然の諸法則との一貫性があるならば、何が真実であっても不思議すぎるということはないし、このような物事においては、実験がそのような一貫性の最もよい確認法なのである。


ファラデーは、エネルギーの保存則が確立されていくちょうどその時代、自分自身は「力の保存則」を信じていたという。つまり、エネルギーは保存するが、その姿形は熱や音や光や運動やあらゆるエネルギーに変化できる。同様に、力もまたあらゆる力に変化できる、変換できると考えていたのである。

だから、電気の力を重力に変換できるはずだという研究を行った。そんな時の研究日誌なのである。


後世の人が、ある科学者の研究日誌を調べていくと、そこには未知の記載があって、そんな昔にその人物はこんなことを考えて実現しつつあったのか?と考える。

これは、まさにSFの王道の一つだが、そのルーツがマイケル・ファラデーだったのである。

数学でも、フェルマーの定理がそういうものだった。
私はこの問題の答えの証明を知っているが、それを書くにはこの余白が狭すぎる
と本の端に書いている。

俺も、
俺は重力の原理と反重力の原理は知っているが、これを説明するにはこのブログは短すぎる
と書いておく。すると、後世の学者がそれを見て驚く。

真夏の海岸で、こんなことを考えながら、こうした本を読む。

これが理論物理学者という人種である。



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  by Kikidoblog | 2015-05-16 10:46 | アイデア・雑多

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