「バック・トゥー・ザ・ヒューチャー2015」:ドクとマーティがやって来た!?
科学社会学的には、かつてバックミンスター・フラーが言ったように「科学技術の進歩は加速度的に進歩する」というのが通説である。つまり、指数関数的に進歩すると信じられて来た。
だから、19世紀の明治の日本人が100年後の日本はこうなるだろうと予想した世界がほぼ20世紀の日本として実現した。
「明治時代の新聞が予想した100年後の未来」:結構あたっているナア!?
昭和の人が想像した「2011年東京」
ところが、ある時期から進歩が遅くなり始め、実質上は止まった。
俺はそれはたぶん1960年代だろうと信じる。
素粒子論にしても物性論にしても実質上物理学の基本原理はそのあたりで終わっているからである。その後は、その応用に過ぎない。
手塚治虫の「鉄腕アトム」でもそうで、アトムの時代はいつになれば来るか?一向に来ない感じである。
その成果、1985年に作られた「バック・トゥー・ザ・ヒューチャー」は、まずパート1で30年前の1955年の過去に行き、それからパート2で30年後の2015年の未来(これが今)に行き、パート3で1885年の100年前に行ったのだったが、その未来社会で描かれた現実と今現在ではかなり開き(乖離)があるのである。
What Back to the Future got right about 2015
ところで、東京スカイツリーのように確かに東京では未来社会的なテクノロジーの実現も見ることができるが、ここ徳島阿南のような田舎では、マーティーのいた1985年(ちなみに私が米国ユタに留学したのが1986年だから、私はパート1はアメリカで見た)時代はおろか、それよりずっと前の私が小中学生時代の1970年頃(大阪万博の時代)からまったく進歩していない。
事実、徳島には電車はまだ存在しない。さすがに蒸気機関車はないが、いまだにディーゼルエンジンの汽車のみである。だから、40年間はまったく進歩していなかったのである。
だれだ、社会は指数関数的に進歩すると言った奴は?
それはアメリカのフラーだったが、世の中はフラーの予想したようには進歩できなかった。
さて、前置きが長くなってしまったが、
2015年の10月21日
が、ドクとマーティーが30年後の未来社会に行ったときの日時だった。
それで、アメリカでそれを祝した番組が作られたという。以下のものである。
マーティ&ドクが人気番組登場「2015年は最悪」
1989年に公開された米映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー・パート2」で、主人公のマーティが30年後の未来にタイムトリップした日が、2015年10月21日。「バック・トゥ・ザ・フューチャーの日」として全米が熱狂する中、米ABCテレビの人気トーク番組ジミー・キンメル・ライブに、俳優マイケル・J・フォックス演じるマーティとクリストファー・ロイド演じるドクが、30年後にタイムトリップしてきたと言う設定で登場した。
劇中と同じ衣装に身を包み自動車型タイムマシン「デロリアン」に乗って会場に現れた2人は、空を飛ぶ車が現実化されていないことを知り嘆いたり、トイレで携帯電話でテレビ動画が見られることに驚くなど、2015年の世界に興味津々の様子。
司会者のキンメルからこの30年間の進歩が、ドーナツとクロワッサンを融合した食べ物「クロナッツ」だと紹介されると、マーティは「ドク、2015年は最悪だ」と言って会場を笑わせた。
また、悪役ビフはどこだと聞かれたキンメルが、「彼なら大統領候補選に出馬しているよ」と語り、この役のモデルが大統領選で共和党候補の座を争っている不動産王ドナルド・トランプ氏であることも明かされた。その後もキンメルの携帯電話でセルフィをするなど、現実の世界を体験した2人。
最後は「ここは不必要なテクノロジーで人類の進化が止まったもう一つの未来だ」とドクが語り、マーティをおいてその原因を探るために1人で1985年に戻ると言うところで物語は終了した。
全米ではこの日を記念し、劇中に登場したペプシがオンラインで限定発売されたり、ナイキも同じく劇中に登場した自動靴ひも締めスニーカー「Nike Mag」を完成させたことを発表しており、ファンの間ではどこまで映画の世界が現実化されたか話題になっていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)
そこで、この番組がYouTubeに出ていないかと調べると、あったあった。これである。
Marty McFly & Doc Brown Visit Jimmy Kimmel Live
ドクには息子が2人、ジュールとベルヌ。私にも息子が2人である。
というわけで、昔はドク・ブラウンと似ていると言われたものだが、最近ではニコラ・テスラと似ていると言われるようになった(かも知れないが)。ちなみに、私のヒゲは最近伸ばし始めたのではなく、成人式の日から伸ばしたから、38年前からということになる。テスラの真似をしたわけでもない。
さて、今度の「バック・トゥー・ザ・ヒューチャー」は、インディー・ジョーンズのように、老いたドクとマーティとその息子や娘たちという若返ったものが面白いのではなかろうか?
それにしても四国の発展の遅さには驚くばかりだ。まあ、阿波踊りのように、それが魅力でもあるわけだが。
ところで、ある人が不死となって若いままであれば、周りの人はどんどん老けて死んで行く。だから、1人生き残った人間は、ある意味未来に行ったのと等価になるだろう。
逆に、環境が昔のまま変わらないままであれば、人だけはどんどん進歩することになり、ある意味今度は人は過去に行ったことになるに違いない。
つまり、人は自分が不変であるか、環境が不変であるかによって、未来にも過去にも行けるのである。
とまあ、そんなことも考えさせてくれる映画であった。
ところで、犬のアインシュタインはどこ?
いずれにせよ、マーティことマイケル・J・フォックスの使用しているパーキンソン病の薬は非常に効いているように見えますナ。それと比べると、どうも国内のパーキンソン病の薬は効きが悪いように見えるのだが。
いやはや、世も末ですナ。
おまけ:
どうして科学技術の進歩が遅れたのか?を考えることは実に大切である。まあ、その理由は、陰謀論や陰謀暴露論で考えられているように、進歩したのはエリア51のような地下基地の中だけ。表面は取り残されたからである。
by Kikidoblog | 2015-10-24 18:33 | コンスピラシー