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皇后杯準決勝:やはり澤穂希選手のINAC神戸のサッカーが群を抜いていた!

みなさん、こんにちは。

先日の女子サッカー皇后杯準決勝は非常に面白かった。第一試合はINAC神戸vs仙台、第二試合は新潟vs日テレ。結果は、第一試合が2-0で神戸の勝ち、第二試合はPK戦で新潟の勝ち。

神戸は今期で引退予定の澤穂希選手がフル出場。まあ、最近ではジダンのように一旦引退宣言して引退してもまた戻るというパターンが定着してきたから、ゴン中山選手も現役続行しているし、澤選手もまた状況に応じて現役復活するという可能性も捨てきれない。

まあ、「武士に二言はない」の風潮は死語となったのだろうナア。

さて、そのINAC神戸の試合はやはりサッカーの質という面では非常に素晴らしかった。これである。
皇后杯準決勝ベガルタ仙台レディース vs INAC神戸ハイライト


今現在では、我が国のあらゆるサッカーチームを含めてもっとも最先端の良いサッカーを行っているのがこのINAC神戸なのである。我が国のサッカーチームの中で最もバルセロナのサッカーに近いサッカーをしているのである。だから、強い。

これに反して、男子サッカーはまったくバルセロナ型のトータルフットボールの域に届かない。唯一それに近いことができるチームが今のサンフレッチェ広島である。だから、Jリーグの3度目/4年の覇者となった。

事実、サンフレッチェ広島とハリルホジッチ日本代表とで試合をしたら、おそらくサンフレッチェ広島が勝つに違いない。一度実施してみることをお勧めする。

第二試合は、今期なでしこリーグ優勝の日テレ・ベレーザがPK戦にもつれ込んでまさかの敗退を喫してしまった。これである。
皇后杯準決勝日テレ・ベレーザ vs アルビレックス新潟レディースハイライト


これは、もしやの時のPKの練習を怠った方の日テレがそのPKがまったく入らずに3発外しまくって負けたという体たらくだった。

おそらく、相手は弱いからPKまで行かずに勝てるとふんだのだろう。それが裏目に出た。監督自身がまったくPK練習していないから誰が蹴るかわからないという始末である。

こういうところが、昼食の時間や順番をPK戦で決めるとか、PKを外したらラン2周とか、5本ダッシュとか、遊び心や罰ゲームを使って技術や集中力や仲間意識を高めるモウリーニョ監督のような欧米の監督とは異なるところである。


いずれにせよ、これら2試合を見ると、澤、大野世代の女子サッカー選手と増谷、田中みな実世代のヤングなでしこの世代とではかなりレベルに差があるということである。やはり、大橋監督の薫陶と指導を受けた初期のなでしこの方がその後のクラブ内指導だけで上に上がった若手なでしこよりサッカーの質が高い。

サッカーに限らず人間のやることはみなそうなのだが、一度あるレベルにたどり着いてもそれが次世代になかなか伝達できないのである。

植物のように1年立てば、前年の情報が自然に組み込まれて生まれるというような生命体であれば、非常に進化も早いのだが、どうも我々人間に限っては、
ともすれば劣化退化する
のである。

せっかく大橋監督が手塩を掛けて澤世代を育成し、それを佐々木監督が熟成させたとしても、それが自然に個々のクラブの中でうまく伝わらない。

男子サッカーでもまったく同様である。

良いチームや強いチームほど逆にそれがある程度うまく行っている。

サンフレッチェ広島は、トップチームの大半がユースのエリートプログラムから育った選手たちである。この点はバルサと同じである。バルサの色はカンテラで付き、バルサの宝石はカンテラで磨かれるのだ。

やはり良い指導を受けた選手たちが現場で監督だけではなく、選手同士として若手に有効な指導をしなければ良い伝統は伝達不可能なはずである。

ラグビーサッカー=ただ前に大きく蹴って走る、相手の裏へパスして競争する



ドリブルサッカー=ボールを受けたらドリブルしながらパスコースを探し、甘いパスをしてから止まる

から、

パスサッカー=ボールを貰う前に次のパスコースを読んでボールをトラップし、正確なパスをしてから走る

この2つの差がわかっていない若い選手たちが多すぎる。ボールを受けたら走り回るから前が詰まってパスコースがなくなるわけだ。ドリブルすれば自分から相手へ飛んで火にいる夏の虫になる。ドリブル突破は最終ラインの裏の勝負だけである。だれもが、ネイマールやメッシになれるはずがないからである。むしろスアレスにはなれる。

その点日テレの若手は無理なドリブルをしすぎ。これでは欧米選手の前ではみんなカットされてしまう。やはり、INAC神戸を見習うべきである。それでも女子サッカーは男子サッカーと比べたら遥かにまし。男子サッカーはいまだにラグビーサッカーだらけだからナア。

とまあ、そんなことを彷彿させてくれる二試合でしたヨ。




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  by Kikidoblog | 2015-12-25 09:08 | サッカー&スポーツ

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